働く人の未来を見据えて
現場主導の「健康経営」

葵機工株式会社「健康づくり推進チーム」メンバーの皆さん

Interview

2026.06.04

健康づくり推進チームの皆さんと山中常務取締役(後列右から2番目)

健康づくり推進チームの皆さんと山中常務取締役(後列右から2番目)

香川県高松市の葵機工では、社員一人ひとりの健康を企業価値の根幹と捉えた「健康経営」が着実に根付きつつある。その中心にいるのが、女性社員で構成された「健康づくり推進チーム」だ。メンバー6人に話を伺った。

この取り組みが動き出したのは、50周年に向けたホームページ改修がきっかけ。立ち上げから携わる佐々木さんは、「それまで当たり前にやっていた健康診断や予防接種が、実は『健康経営』として評価されるものだと分かって」と振り返る。試験的に始めた取り組みは、2022年の認定取得を機に本格化。現在は7名体制で活動を続けている。

現場を動かしているのは、メンバー自身の主体性だ。ウォーキングアプリの導入や体力測定イベント、健康セミナーの企画、自販機のカロリー表示まで、アイデアは現場から生まれるものが多いそう。現リーダーの小禄さんは「家族ぐるみで参加できるイベントも増え、参加率も上がってきました。『楽しかった』という声が次の企画の原動力になります」と笑顔を見せる。

活動の中で大切にしているのは、「やらされ感」ではなく「自分ごと化」だという。檜さんは「続けることで、少しずつでも意識は変わっていきます。だからこそ無理なく、でも途切れさせないことが大事」とキッパリ。実際、年3回の体力測定や継続的なセミナー、社内報の発行など、無理のない仕組みで継続性を担保しているそうだ。

また、久保さんは「反応が返ってくると手応えを感じる」と話し、活動が社内に浸透していくのを実感しているのだとか。さらに、大西さんは「これまで話す機会のなかった人とも自然に会話が生まれるようになった」と、コミュニケーション面での変化を挙げる。拠点の異なる現場をつなぐ役割も、このプロジェクトの大きな価値だと強調する。

象徴的なのは、社員の声が制度に反映される点だ。セミナー後のアンケートをきっかけに、がん検診の補助内容が見直されるなど、小さな気づきが会社の制度を動かしてきた。佐々木さんは「従業員とその家族が『この会社でよかった』と思える環境をつくりたい」と語り、健康経営を福利厚生の一環にとどめず、企業価値そのものとして育んでいきたいそうだ。

こうした積み重ねは、確かな成果にも表れている。健康診断やストレスチェックの受診率は高水準を維持し、社内意識調査でも評価は向上。さらに健康経営優良法人の中でも上位500社に選ばれる「ブライト500」に連続選出されているほか、がん検診の受診促進や治療と仕事の両立支援といった取り組みが評価され、「がん対策推進優良企業」としても令和6・7年度の2年連続で表彰されるなど、社外からの評価も高まっている。

拠点が分かれる同社にとって、イベントやボランティア活動は部署を越えた貴重な接点だ。森さんは「工場ごとの温度差をなくし、もっと多くの人に参加してもらえるようにしたい」と今後の課題を見据える。小禄さんも「普段関わらない人と話すきっかけになる。それが結果的に働きやすさにもつながっている」と手応えを感じているそうだ。

今後について、メンバーの視線はさらに先を見据えている。檜さんは「この取り組みを次の世代にも引き継いでいきたい」と話し、小禄さんも「健康活動は人材の定着や育成にもつながる。会社にとって欠かせないものにしていきたい」と意欲を見せていた。

従業員を守ることが、企業を強くする。現場の声から始まった小さな一歩は、葵機工の確かな「企業力」へと成長し続けている。
「がん対策推進優良企業」表彰式の様子

「がん対策推進優良企業」表彰式の様子

葵機工株式会社

住所
香川県高松市朝日町3丁目7番5号
代表電話番号
087-822-5025
設立
1972年3月
事業内容
・インフレーター、ガスジェネレーター部品
・ガス、油圧バルブ 他
・頭脳モーター部品
・半導体装置部品
・SUS、コバール、ベリリウム、バイタリウム 等、難削材の切削
・設計、加工、組立
地図
URL
https://www.aoikikou.co.jp
確認日
2024.09.19

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