四国を訪れる欧米豪の外国人旅行者に関する調査報告書~2年連続の対面アンケートが示すインバウンド客の動態と四国観光の可能性~

株式会社日本政策投資銀行

Research

2026.06.18

調査概要

日本政策投資銀行と四国ツーリズム創造機構は、欧米豪の外国人旅行者に関する調査を2024年より継続的に実施しています。四国4県の主要観光地にて対面式のアンケートを実施したもので、2025年は実際に四国を周遊している欧米豪旅行者459人の回答を収集・分析しました。また、2年目となる2025年調査では、四国を訪れるきっかけや動態の経年変化に加え、瀬戸内国際芸術祭や大阪・関西万博の影響についても分析を行いました。

四国に来る直前の訪問地は「大阪」が最も多く、万博の影響か

四国を訪れる直前の訪問地は、2024年は回答者全体で「広島」が最も多かったのに対し、2025年は「大阪」が最多となりました。この背景には、大阪・関西万博の開催があったと推察され、実際に全体の15%が万博を訪問したと回答しています。加えて、その大半が四国訪問のきっかけとして「大阪・関西万博」を挙げていることから、万博を目的に訪日し、旅行行程の一部として四国にも足を延ばしたケースが多いと考えられます。こうした結果から、今後も関西など周辺地域との連携を通じた誘客施策は、四国観光において有効であると言えます。

四国滞在中に困りごとを感じた旅行者は3割、キャッシュレスなどに課題

四国滞在中の困ったことを尋ねたところ、全体の3割強が「困ったことがあった」と回答しました。具体的には「キャッシュレス決済ができなかった」や、「多言語表示が少なかったり、わかりにくかった」、「公共交通がなかったり、便数が少なかった」などの回答が相対的に多かったことを踏まえ、これらの受入環境の整備はできるだけ迅速に対応していくべきであると考えます。また、四国滞在日数が長くなるほど、困りごとがあった比率も高まるとの結果も確認されたことから、四国内を周遊し長く滞在してもらうためには、細やかな部分から旅行者にとっての不便を解消し、快適な四国滞在にすることが重要だと言えます。

「四国らしさ」×「受入環境」×「広域連携」で持続可能な観光へ

当調査では、欧米豪旅行者における四国の観光地としての評価は引き続き高水準を維持しており、自然景観、歴史・文化、食といった地域固有の資源が、四国の魅力として認知されていることが改めて確認されました。特に、四国遍路や直島に代表される四国ならではの体験型コンテンツは、四国における滞在日数及び消費額の双方に対して高い効果を有しています。

今後は、四国ならではの体験価値を核とした観光コンテンツの磨き上げと、広域周遊を前提とした情報発信・商品造成を推進するとともに、受入環境の質的向上を着実に進めることが、四国観光の持続的な発展および地域経済への波及効果の最大化につながると考えます。

株式会社日本政策投資銀行 四国支店 企画調査課 調査役 藤岡 亜希子

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