全国の橋は70万を超え、定期点検は法律で義務づけられているが、担い手は足りていない。小さな町では土木の担当者が一人、二人ということも珍しくない。「橋は空中で車などを支える構造物。落ちれば人命に直結する。だからこそ後回しにできない」と林和彦センター長は話す。
これまでの土木の教育は、橋を「造る」ことが中心で、造った後にどう劣化し、手入れするかを体系的に学べる場は少ないという。同センターは「地元のインフラは地元で守る」を掲げ、自治体職員や地域の建設コンサルタントらが橋梁メンテナンスを基礎から学び直せる場を提供する。
講習は最大10人の少人数制。撤去された本物の橋の部材や劣化した床版・鋼桁を教材に、見て、触れて、たたいて学ぶ。校内には実物大の実習フィールドを備え、近くの橋での実地点検も行う。橋を人の体に例えれば、点検技術者は「レントゲン技師」、診断する人は「医師」にあたるという。まずは異常を正しく見つけ、記録できる人材の裾野を広げることが、安全なインフラを支える土台になる。
学びは段階を踏む。用語から学ぶ「入門編」、土台の「基礎編」、実務に踏み込む「応用編」があり、基礎編合格で高専機構認定の「准橋梁点検技術者」、応用編まで進むと国土交通省認定の民間資格「橋梁点検技術者」が取得できる。
取り組みは、舞鶴・福島・長岡・福井・香川の5高専が連携する文科省事業を母体とするが、香川は独自の工夫を重ねてきた。受講者は四国や岡山を中心に、近年は関東や九州からも集まる。林センター長は、「高専には、地域に学びの場を開く責務がある。香川高専のこうした社会実装を広く知ってほしい」と語った。
香川高等専門学校
社会基盤メンテナンス教育センター(iMec香川)
所在地:香川県高松市勅使町355
TEL:087-869-3811
https://www.kagawa-nct.ac.jp/imec
香川高等専門学校
- 住所
- 香川県高松市勅使町355
- 代表電話番号
- 087-869-3811
- 設立
- 昭和18年
- キャンパス
- 高松キャンパス
〒761-8058 香川県高松市勅使町355 TEL087-869-3811/FAX087-869-3819
詫間キャンパス
〒769-1192 香川県三豊市詫間町香田551 TEL0875-83-8506/FAX0875-83-6389 - 地図
- URL
- https://www.kagawa-nct.ac.jp/
- 確認日
- 2024.03.07
おすすめ記事
-
2026.02.05
調査・実験・ものづくり
低学年から学生主体で研究体験香川高等専門学校高松キャンパス
-
2025.12.18
プログラミングの面白さを伝える
学生主導の中学生向け公開講座香川高等専門学校詫間キャンパス 情報工学科
-
2025.10.16
水理学を生かした魚の道
持ち運べる「魚道」を開発 -
2025.08.07
技術も、社会も、自分で考える力を
参院選へ、高校生が言葉で投じた一票香川高等専門学校詫間キャンパス
-
2026.02.02
三和電業グループ奨学基金奨学金 7人に給付
香川高専高松キャンパスで目録贈呈式香川高等専門学校
-
2024.03.07
知識、経験、創造力、多様性……
未来のものづくり人材を、どう育てる香川高等専門学校 校長 田中 正夫さん
四国職業能力開発大学校 校長 梶島 岳夫さん -
2014.05.15
コンクリートで 世界とつながる研究
香川高等専門学校 建設環境工学科 准教授 林 和彦さん
-
2026.07.02
観音寺スマートICがいよいよ開通
西の新たな交通拠点として活用を!西日本高速道路 四国支社 香川高速道路事務所長 上島 慶さん
-
2026.07.02
世界的クレーンを縁の下で支える
三祥 社長 梶尾 哲也さん
-
2026.06.04
一人一人に合わせた案内で
安心の空の旅を高松商運 航空部旅客チーム 森 樺音(かのん)さん
-
2026.01.01
四国の暮らしを支える道路網を
未来に継承したい西日本高速道路 執行役員・四国支社長 喜久里 真二さん














