香川高専が育てる「橋を守る人材」
地域インフラ維持へ実践教育

社会基盤メンテナンス教育センター(iMec〈アイメック〉香川)

Interview

2026.07.02

高度経済成長期に架けられた全国の橋が、いっせいに「高齢化」を迎えている。建設から50年を超える橋梁の割合は、2031年に約57%に達する見込み。香川高等専門学校の社会基盤メンテナンス教育センター(iMec香川)は、橋を守る社会人技術者の「学び直し」の場として2020年に設けられた。

全国の橋は70万を超え、定期点検は法律で義務づけられているが、担い手は足りていない。小さな町では土木の担当者が一人、二人ということも珍しくない。「橋は空中で車などを支える構造物。落ちれば人命に直結する。だからこそ後回しにできない」と林和彦センター長は話す。

これまでの土木の教育は、橋を「造る」ことが中心で、造った後にどう劣化し、手入れするかを体系的に学べる場は少ないという。同センターは「地元のインフラは地元で守る」を掲げ、自治体職員や地域の建設コンサルタントらが橋梁メンテナンスを基礎から学び直せる場を提供する。

講習は最大10人の少人数制。撤去された本物の橋の部材や劣化した床版・鋼桁を教材に、見て、触れて、たたいて学ぶ。校内には実物大の実習フィールドを備え、近くの橋での実地点検も行う。橋を人の体に例えれば、点検技術者は「レントゲン技師」、診断する人は「医師」にあたるという。まずは異常を正しく見つけ、記録できる人材の裾野を広げることが、安全なインフラを支える土台になる。

学びは段階を踏む。用語から学ぶ「入門編」、土台の「基礎編」、実務に踏み込む「応用編」があり、基礎編合格で高専機構認定の「准橋梁点検技術者」、応用編まで進むと国土交通省認定の民間資格「橋梁点検技術者」が取得できる。

取り組みは、舞鶴・福島・長岡・福井・香川の5高専が連携する文科省事業を母体とするが、香川は独自の工夫を重ねてきた。受講者は四国や岡山を中心に、近年は関東や九州からも集まる。林センター長は、「高専には、地域に学びの場を開く責務がある。香川高専のこうした社会実装を広く知ってほしい」と語った。

香川高等専門学校
社会基盤メンテナンス教育センター(iMec香川)
所在地:香川県高松市勅使町355
TEL:087-869-3811
https://www.kagawa-nct.ac.jp/imec

香川高等専門学校

住所
香川県高松市勅使町355
代表電話番号
087-869-3811
設立
昭和18年
キャンパス
高松キャンパス
〒761-8058 香川県高松市勅使町355 TEL087-869-3811/FAX087-869-3819

詫間キャンパス
〒769-1192 香川県三豊市詫間町香田551 TEL0875-83-8506/FAX0875-83-6389
地図
URL
https://www.kagawa-nct.ac.jp/
確認日
2024.03.07

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