才能の原石の「殻を割る」
低学年からの課題解決学習

香川高専 技術教育支援室 大賀 祐介(おおが・ゆうすけ)さん

Topic

2026.08.06

学生たちが制作・提案したチラシ例

学生たちが制作・提案したチラシ例

かつての高専は高い技術を身に付けた「技術者の育成」を重視していたが、「なぜその製品を使うのか・ユーザーがどうなりたいか」が問われる今の時代は、知識や技術だけでなくグローバルに考える力が求められる。そんな中で全国的に注目が高まるアントレプレナーシップ教育は「独立起業家の育成」と解釈されがちだが、大賀さんは「起業に限らず、誰が・どんなことに困っているかを把握できる課題解決力そのものを養うこと。社会活動に欠かせない、すべての学生に持ってほしい能力」だと唱える。

大賀さんのアントレプレナーシップ教育は、現在主に機械工学科2年生が対象。首都圏の大手私鉄の課題解決事業とタイアップし、首都圏と同じような悩みを持つ香川の企業課題を想定して、4人1チームで具体的な顧客層やニーズを検討し、実用最小限の製品アイデアを作り込んでいく。

その過程では、地域企業に足を運んでヒアリングしたり、製品チラシを手に「リリースしたら連絡したい、連絡先を教えてほしい」とアプローチする学外学習も行う。10代半ばの学生たちにとって、企業の生の声はリアルな社会に触れる貴重な場でもある。

半年間のカリキュラムの集大成は、「私鉄の新規事業担当者を前にしたプレゼンテーション」と「高校生ビジネスプラングランプリへの全員チャレンジ」で、学外での評価を経験すること。より意欲的な学生たちが現れたら、事業化までサポートすることも視野に入れている。
大賀さん

大賀さん

「製品そのものの優劣ではなく、過程でどれだけ学べたかが重要です」と大賀さん。コスパ主義世代ともいわれる若者層は、何のために学ぶか・何が得られるかの動機づけが重要だ。「与えられる学びではなく、自分のアイデアを形にするために必要なスキルを自ら見つけていく、そういう学び方がスタンダードになっていくでしょう」。

実践的なものづくりが伴う高学年次のPBLや、全学生が低学年次に取り組む「プレ研究」など、学内の課題解決型学習や地域課題に向き合う課外授業との連携も模索しつつ、「校内から地域や県内全域へと共創相手を広げて、学生たちが地元・香川で成功を学べる場をつくり、香川を盛り上げていきたい」と大賀さん。「質の高い課題解決力を養う教育は、企業が求める人材と一致するところも多いのではないでしょうか。原石の殻を割るのが私たちの役目で、そこから磨き上げていくのは学生自身です。アイデアはまだつたなくても、将来彼らが社会に出たら、きっと学びの成果を発揮できるはず。だからこそ、地域と一緒にやる意味があると思っています」。

大賀さん自身も学生をナビゲートする立場として、日々学びを深めている。「私にしかできないことに挑んだり失敗したりする背中を、学生たちの半歩前で示したい」と、笑顔を見せた。

香川高等専門学校

住所
香川県高松市勅使町355
代表電話番号
087-869-3811
設立
昭和18年
キャンパス
高松キャンパス
〒761-8058 香川県高松市勅使町355 TEL087-869-3811/FAX087-869-3819

詫間キャンパス
〒769-1192 香川県三豊市詫間町香田551 TEL0875-83-8506/FAX0875-83-6389
地図
URL
https://www.kagawa-nct.ac.jp/
確認日
2024.03.07

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