瀬戸の多島日を眺め 陸のおむすび山を歩く 多芸多才

四国運輸局長 丸山 研一さん

Interview

2013.04.18

海なし県の長野出身。初めて海を見たのは、小学5年生のときだった。そのころから海と船が大好きに。社会人になってからはヨットを楽しみ、友人と共同でクルーザーを所有し、レースに出たこともある。今年はシーカヤックに挑戦する予定だ。仕事でも護衛艦、潜水艦、地球掘削船などさまざまな船に乗った。「波の音を聞くのが好き。瀬戸内の多島美もいいですね。島々の歴史などストーリーを聞きたくなります」

着任前から造船所を訪れる機会が多く、四国にはなじみがあった。おっとりした香川の雰囲気がいいと言う。都会での生活が当たり前だったが、コンパクトシティならではの暮らしやすさを感じている。「おむすび山には衝撃を受けました。海の多島美に、陸の多島美。両方あるのは香川だけですよ」

健康法は「一日一食」

歩くことも好きだ。昨年の7月から一日一食の健康法を実践しており、食事を取らない昼休みは、丸亀町など高松市の商店街を歩く。まちの活気や課題を感じる楽しい時間だ。体重も7キロ減量し、健康診断の結果もおおむね良好。四国遍路は、徒歩と電車やバス、一部車で2周を終え、現在3巡目に入った。

千葉県市川市の自宅では80種以上の草木を育てている。庭にいつも花が咲いているように、植栽を工夫した。旅先の思い出に木の苗を買うことも多く、小豆島のオリーブも元気に育っている。「香川では松盆栽の手入れも学びたい」

木々の世話をしてくれているのは、88歳の父。仕事のため横浜で暮らす妻とともに、月に一度は市川へ帰る。

木彫で無心に

今は官舎住まいのため、庭いじりはできないが、数年前から木彫に凝っている。これまで仏像を彫っていたが、今年、和三盆の木型を作る工房を訪ねたのをきっかけに「マイ木型」作りを始めた。バラの花は合格点をもらい、菊に挑戦中。彫っているときは無心になれる。

仕事で心を砕くのは、職員が活躍できる環境づくり。一人ひとりがどれだけアクティブに動けるかを重視している。「組織は大きさではなく、人が大事です」。四国運輸局が開発した「津波救命艇」は、発案から1年で試作艇が完成。プロジェクトチームのメンバーは10人の志願者のみ。「壊れない、転覆してもすぐに元に戻る、中の人に衝撃を与えない」、浮いて大津波から身を守る、新しい形の防災対策を提案している。

忙しい日々の中、ふと思うのは外国を旅する娘のこと。昨年、25歳の娘が世界一周の一人旅に出発した。「子どもは親離れしていたけれど、親は子離れしていなかったことに気づかされました」。海を眺め、野山を歩き、木彫に没頭しても、やはり気がかりだ。今年秋の帰国が何よりも待ち遠しい。

丸山研一さんは次号(5月2日発行)から「潮流」執筆者の一人として登場します。豊かな経験と見識で香川を見つめる視野にご期待ください。

丸山 研一 | まるやま けんいち

略歴
1953年7月18日 長野県生まれ
1977年3月 東京大学工学部 卒業
1977年4月 運輸省 入省
      日本貿易振興会ジェトロ・ニューヨーク・
      センター所員
      科学技術庁原子力安全局保障措置課
       核物質防護管理官等を経て
2001年7月 国土交通省海事局技術課長
2003年7月 国土交通省海事局造船課長
2007年7月 国土交通省中国運輸局次長
2009年6月 海上保安庁装備技術部長
2011年10月 国土交通省四国運輸局長

四国運輸局

2015年7月の組織改正で観光部が誕生。他に、交通政策部、鉄道部、海上安全環境部など。高松市鬼無町の香川運輸支局では、自動車の検査・登録、監査などを行う。
確認日
2018.01.04

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