家族と土木工事を愛する技術者
東讃地域の宣伝マンに

西日本高速道路 四国支社 高松工事事務所 所長 後藤 由成さん

Interview

2013.04.04

91本のロウソクがともされたバースデーケーキ。今年の2月11日、神戸市の自宅でのことだ。「私も妻も2月が誕生日で、合わせて91歳なんですよ」と笑う。結婚から20年。高松へは単身赴任で、離れて暮らす妻と毎日10分間の電話を欠かさない。仕事のこと香川のことは2人の子供とも会話する。お互いの悩みに共感するのが、家庭円満の秘けつ。

少しでも長く、家族と

金曜日には高速バスで神戸へ帰る。車中では、ノンフィクションの作品を中心に読書を楽しむ。「夢の道関門海底国道トンネル」、「ハイウェイ・マイウェイ道のロマンにかけた男たち」など、土木工事の苦労を描いた作品に胸が熱くなった。少しでも長く家族と過ごすために、最終便の出発時間が遅いフェリーで高松に戻る。

子どもたちと過ごす時間も楽しみの一つ。長男とは甲子園球場へ野球観戦に、長女とは宝塚へ観劇に行く。今年、大学生になった長男からは「無事の高校卒業、3年間ありがとうございました。これから4年間よろしく」と、メールが届いた。部活動でラグビーに励み、心身ともにたくましくなった息子の成長を感じるうれしい瞬間だった。

入社以来、土木工事の感動にはまったという。土木工学は英語で「civil engineering」。「市民が安全に、快適に暮らすための学問」だと解釈している。これまで名神高速道路の拡幅工事や高速道路走行の降雨規制基準作成などに携わってきた。「培ったノウハウを、高松自動車道4車線化にぶつけたい」と、意気込み十分だ。

高松工事事務所は、高松自動車道4車線化事業に伴い、昨年6月1日に発足。2006年の閉所から6年ぶりの復活で、再開後の初代所長となった。01年に津田東~板野を開通させた当時の所長があこがれの存在だった。関西から高松道を利用するドライバーに、香川県・瀬戸内海を演出するフェニックス植栽を行ったり、工事期間中の足場や仮設物にも沿線地域の人々の目線で景観に配慮し、色彩を統一したりしていた。そんな先輩たちの姿を見ていたこともあって、四国支社で働くことに喜びを感じている。

4車線化 東讃とともに

18年度の開通を目標に、高松東インターチェンジから東側の2車線を4車線へ。完成すれば、渋滞が緩和され、より快適な走行が可能になる。三木町から東かがわ市までの35.3キロが高松工事事務所の施工区間だ。事業開始の準備のため、何度となく足を運ぶうちに、東讃地域独特の魅力に引き込まれた。

和三盆や手袋、醤油、松原に動物園・・・。まちの観光名所や名産品を紹介する4車線化工事の進捗情報広報紙「ぶらり東讃道」の季刊発行を決めた。三木町、さぬき市、東かがわ市内の4万2000戸に配布し、高松自動車道のサービスエリアでも手に取れるようにする予定。また一つ、東讃の名産品を家族への土産に買って帰るという楽しみが増えた。

後藤 由成 | ごとう よしなり

略歴
1967年2月23日 兵庫県生まれ
1989年3月 関西大学工学部土木工学科卒業
1989年4月 日本道路公団入社
1999年8月 関西支社神戸管理事務所改良課課長
2002年11月 関西支社保全企画課課長代理
2005年7月 関西支社広報課課長代理
2005年10月 日本道路公団の分割民営化により
       西日本高速道路株式会社へ
2007年10月 本社広報課課長代理
2010年10月 四国支社企画調整課課長
2012年6月 四国支社高松工事事務所所長

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