足元から天井まで一貫した工事が強み

株式会社広立 代表取締役 松本 義一さん

Interview

2013.06.06

広立の皆さん。ユニホームの背中には「チーム広立」の文字が入っている。前列右から2人目が松本社長、右端が瀬尾副社長

広立の皆さん。ユニホームの背中には「チーム広立」の文字が入っている。前列右から2人目が松本社長、右端が瀬尾副社長

広立

今年、設立から25年目を迎えた株式会社広立。「広く立つ」という願いが込められた社名です。土木・建築業から始め、現在は看板や照明器具の製作も手掛けています。特許を出願した新しい照明器具は、これまでになかった構造で注目を集めています。社名のように、世界に向けて広く飛び立つ時を迎えています。
「社会の役に立ちたい」と、会社を立ち上げた代表取締役の松本義一さん(61)。20歳の時、腎臓を患い5年間の入院生活を送った。病院では、「自分にできることは何か」ばかり考えていたという。「病気があったからこそ今があると思っています。どうやって生きるか、真剣に考えるきっかけになりましたね」。退院後、早速土木・建築を学んだ。

最初は2人で始めた会社が、今は15人。仕事を通じて人格が形成されていくと考え、熱意を持って社員を指導してきた。「社会貢献になればと思い、やんちゃな人材も引き受けました。みんな、立派にやってくれていますよ」。全員で話し合って、全員で決める。志は一つ。設立当時から守り続けてきたことだ。社員は「チーム広立」のメンバーだという。「社員は社長の人柄にほれています。仕事を頑張るのも恩返しの一つですね。どこよりも強い連中の集まりです」と話すのは、取締役副社長の瀬尾尊さん(56)。

しかし不景気になると、土木・建築業だけでは、経営が苦しい局面もあった。「冬の厳しさを知った者ほど、春の暖かさを知る」。松本さんはそう言い続けた。看板の製作も始め、業務拡大に伴って2007年には仁尾工場を稼働。「土木・建築の素地があるので、店舗の基礎工事から内装、看板の製作・設置までできます」と松本さん。県内にとどまらず、全国各地での施工実績がある。昨年10月に東京営業所を設け、関東での営業を開始した。

看板づくりには、ネオンサインやLEDなど時代の流れと顧客の要望に合った技術が求められる。「小さな会社でも、目を外に向けて考えることが大切でしょうね」と瀬尾さん。横のつながりを大切にしながら、「広立にしかできないもの」を常に意識している。

看板製作がきっかけとなって、3年前から照明の仕事にも携わるようになった。新しい反射板の開発には、現場社員のアイデアが大きな原動力となった。「家庭用のダウンライトを大型の照明に応用できないか」と考え、体育館の照明を新しくすることを提案した。
広立の反射板は、従来のものよりも光が拡散し同じ電球でも明るく見える。素材は特別なものを使わず、反射板の構造を工夫している。1000ワットの電球を使っていた照明が、400ワットの電球で代替可能に。電気代は半分に抑えられ、しかも明るい。三豊市総合体育館の照明は、広立製のものに切り替わった。
反射板の営業を担当する瀬尾さんは、「実物を見てもらえれば、明るさの違いは歴然です。これからは知的財産をいかに守っていくかが課題。もちろん、精度を高めることも必要ですね」と話す。反射板は現在、特許出願中だ。
特許出願中の反射板

特許出願中の反射板

看板や照明の製作には、土木・建築の技術が生かされているという。「いかに効率よくできるか。答えはいつも現場にあります。全力で取り組んでいると、何かが見つかると思います」と松本さん。25年経った今も、「まだ会社の土台を築いている途中だ」という気持ちで仕事に臨んでいる。

松本 義一 | まつもと よしかず

株式会社 広立

住所
香川県三豊市豊中町笠田笠岡3185-6
代表電話番号
0875-62-2898
設立
1989年
確認日
2013.06.06

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ