憧れだった レンジャーとして全国へ

中国四国地方環境事務所 高松事務所長 宇賀神 知則さん

Interview

2018.03.01

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池にザリガニを捕りに行くのが好きな少年だった。小学校から高校まではボーイスカウトに所属。テントを張ってキャンプをして、自然に親しむ機会が多かった。高校時代から環境庁(当時)のレンジャーに憧れていた。レンジャーは生物多様性の保全、国立公園の管理・利用、野生鳥獣の保護などを担い、自然保護官とも呼ばれる。

筑波大学に進学し、造園や動物生態学を学ぶ研究室に入った。そこで田んぼに生息するカエルを調査。毎日田んぼに通い、カエルの種類と分布域、カエルの生息を制限する要因は何なのかを調べた。

サミット、原発、多様な仕事

大学時代、ラグビー部で

大学時代、ラグビー部で

1995年に入庁。2年目には、たった一人で山陰海岸国立公園(鳥取県)の管理官事務所へ。公園の保全活動やイベントの企画に奔走した。その後も東京、群馬、北海道、栃木、福島などで勤務。2002年には国土交通省へ出向し、04年には環境省の大臣政務官秘書官を務めたことも。06年に北海道事務所に赴任し、08年の北海道洞爺湖サミットにも関わった。環境省の施設であるビジターセンターで首脳夫人らのツアー、林野庁や国土交通省などと連携したイベントを開催した。

前任地の福島では、忘れられない経験をした。11年に起きた福島第一原子力発電所事故。除染で取り除いた土や放射性物質に汚染された廃棄物を、最終処分するまでの間、安全に管理・保管するために設置される中間貯蔵施設で、初代の事務所長を務めた。「事故で国への信頼が失われている中、施設の整備を進めるに当たって、地元の方から厳しいお声もいただきました。初めてのことだったので、プレッシャーもありましたね」

多様な職務を通して、経験が自分の武器になるのだと確信した。「レンジャーは現場が一番。興味を持ったら挑戦する。トライ&エラーでもやってみるんです。あとは、赴任先でできるだけ地元に溶け込んで、転勤してからも遊びに行けるような関係を築きたいと思ってやってきました」

目指すは「ほら吹き」所長

尺八の演奏会

尺八の演奏会

高松事務所に赴任して1年半。香川はほっとして落ち着ける場所だという。「毎朝、出勤前にうどんを食べています」。多趣味で休日も忙しく過ごす。すでに、自転車で四国霊場88カ所を結願した。高校・大学はラグビー部で、赴任地のラグビーチームに交じってプレーすることもしばしば。来年のラグビーワールドカップが楽しみだ。数年前から尺八の演奏をしていたが、最近は「ほら貝」も始めた。石鎚山のグループに所属し、これから本格的な練習を始める。

「環境省は目立つ役所ではありません。でも外来生物や地球温暖化、公害、廃棄物など環境省の課題は、皆さんの生活に密着したものです。ほら貝のように、多方面に大きく響くように情報発信していきたい。目指すは『ほら吹き』所長です」。
モットーは楽しく前向き。それを体現するように、宇賀神さんの言葉も明るい。(鎌田 佳子)

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宇賀神 知則 | うがじん とものり

1971年 東京都生まれ
1989年 東京都立青井高校 卒業
1993年 筑波大学第二学群農林学類 卒業
1995年 筑波大学大学院環境科学研究科 修了
    環境庁 採用
2006年 北海道地方環境事務所
    国立公園・保全整備課長
2008年 自然環境局野生生物課外来生物対策室
    室長補佐
2011年 関東地方環境事務所日光自然環境事務所長
2013年 自然環境局総務課自然ふれあい推進室
    室長補佐
2015年 東北地方環境事務所福島環境再生事務所
    中間貯蔵施設等整備事務所
    中間貯蔵施設浜通り事務所長
2016年 中国四国地方環境事務所 高松事務所長

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