海外勤務の経験生かして

全日本空輸 高松支店長 阿部 浩之さん

Interview

2015.06.04

生まれも育ちも北海道札幌市で、大学入学時に上京し、ANA入社後は東京で10年、山陰支店に2年、名古屋支店に3年勤務した。海外勤務は中国で合計8年間経験。高松支店には今年4月に着任したばかり。「高松は名店も多く観光素材も豊富で、見て回るのが楽しみです」

商社からの転職

大学時代は2年半、学生寮で過ごした。応援団に駆り出されたり、学園祭の時はみこしを担いで「赤ふんどし」姿で商店街を練り歩いたり。上下関係と規律の厳しい集団生活で心身ともに鍛えられた。

法学部だったが歴史も興味のある分野。「物事に対してどういう見方をすれば良いのか、自分がやるべきことは何か。そんなことを考えるのが好きで、過去からも学びたいという気持ちがありました」。たくさんの本を読んだが、特に司馬遼太郎の本は何度も読み返した。

大学卒業後は総合商社に入社し5年間働いたが、自分の思い描いていた仕事像・生活像とは違うと悩んだ。そんな時、ANAの中途採用の新聞広告を見た。学生時代、航空会社に憧れていたことを思い出し、これがきっかけとなって転職を決めた。

元気に明るく

2005年、中国の青島支店に配属された。「入社以来、国内畑だったので驚きました」。当初は生活習慣の違いになじめず早く日本に帰りたいと思ったことも。中国へ行って初めて参加した市政府主催の外国人新年会で、余興に出演したことで何かが変わった。「やれることはなんでも挑戦しようと思いました。所が変われば考え方は違ってきますが、人としての付き合いはどこに行っても同じだと実感しました」

10年に同じく中国の広州へ異動となり、支店長に。青島は日本人スタッフもいたが、広州はほとんどが中国人スタッフ。「中国でのANAの知名度はまだまだ。まずは知ってもらうことからのスタートでした。支店運営はスタッフの力なしでは出来ません」。ミスコミュニケーションをなくすことと信頼関係を築くことに心を砕いた。「言い訳はしないこと、いつも元気でいることを合言葉にしていました。元気で明るい態度がサービス業の基本だと思います」

香川を国内外へPR

「飛行機は公共交通機関ですので、お客様にとって少しでも快適・気軽にご利用いただける距離感の近い存在でなければなりません。期待以上のサービスのご提供と、積極的なご提案が出来る会社でありたいと思っています」

日本が海外からどう見えるかという視点も大切にしている。外国人観光客の受け入れは今後ますます重要になる。「企業間の競争は激しいと思いますが、香川県民としても、業界はもとより県全体がハッピーになれるよう積極的にお手伝いしたい」

プライベートで挑戦してみたいのは楽器演奏。上海の街角でサックスの演奏を聴いた時、そのかっこ良さにしびれた。楽譜も読めなかったが早速サックスを購入し、教室に通い始めた。ところがすぐに転勤で日本へ帰ることに。「高松での生活が落ち着いたら、またサックスを習いたいですね」

阿部 浩之 | あべ ひろゆき

略歴
1960年11月 北海道札幌市生まれ
1985年3月  学習院大学法学部 卒業
1985年4月  総合商社 入社
1990年7月  全日本空輸株式会社 入社
1997年4月  情報システム本部企画部 主席部員
2002年4月  名古屋支店 国際販売課長
2005年4月  中国青島支店 総務・営業マネジャー
2010年4月  中国広州支店長
2014年4月  Peach・Aviation株式会社 出向
2015年4月  高松支店長

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