笑い(ユーモア)は人生を、世界を豊かにする。しあわせだと思う気持ちと感性を養って、ユーモアをもっと自分のものに。

大麻学園事務局長 中井 宏次さん

Interview

2009.08.20

宇多津町にある学校法人大麻学園(設置校:四国医療専門学校)事務局長の中井宏次さんには、もう一つの顔がある。NPO法人健康笑い塾の塾長だ。

幼児期から親しんだ落語

大阪生まれの中井さんは、笑いが身近な環境の中で成長した。「初代春団治が大好きな祖父や、娯楽といえば寄席という父の影響で、幼いころから落語に親しんで育ったんですよ」。
大学時代には上方落語研究会会長として活躍したが、卒業時に「薬剤師で生きていくか、お笑いに行くのかと迷いましたが(笑)」、製薬会社に入社。50歳を過ぎたころ、「人生に何か忘れ物をしてきた気がして、昔の仲間と笑いをまたやろかと、NPO法人健康笑い塾を立ち上げたんです」。

「笑い」に必要なもの

単身赴任中の中井さんは、週末には自宅のある淡路島に帰り、健康笑い塾塾長として関西で開かれる講座を持ち、また、日本笑い学会理事として、笑い(ユーモア)の大切さを大勢に説く。
笑いは昔から百楽の長、万病の薬といわれている。最近では免疫力を高め、ストレス解消にも役立つことがわかってきた。といっても、面白いな、楽しいなと感じられるベースがなければ、笑うことはできない。

「まず第一に大切なのは、幸せ感の熟成ですね」。鏡を前に、自分の笑顔を見てみる。ははは、ひひひ、ふふふ、へへへ、ほほほと声に出してみる。「そうすれば、自分の笑い顔=いい顔をイメージできますよね」。笑い顔(いい顔)をイメージすることで気分がよくなり、人と接するときの表情も想像できるようになる。「『私は幸せです』と言ってみてください。人はそう言うときが一番いい顔になるんですよ。そしてユーモアは自分自身が幸せでないと生まれません。幸せ感(ユーモア)が笑いのベースなんです」

もう一つ大切なのは感性。「たとえば四季を感じられる心。その季節ならではの旬を感じる五感を大切にすること。これを豊かにしていかないと、第六感も生まれませんよ」。一つの事象も、考え方次第でプラスにもマイナスにもなるのだ。

笑人材育成が大切

中井さんの講座では、川柳作りやなぞかけ、3分間スピーチなどをよく行うという。「川柳やなぞかけは思考を柔軟にし、3分間スピーチはものごとを組み立てる訓練にもなる」。笑わせてもらうことを期待していた参加者の多くも、経験を通して自分自身が主体的に笑い、楽しめるようになっていくのだとか。

地域の商店街を始め、大学や会社などに招かれ、笑い(ユーモア)について講演する機会も増えている。「コミュニケーションに笑いは不可欠。『にこっ』とほほ笑めば生産性も増します。上司が笑顔(いい顔)なら部下は相談しやすい。コミュニケーションが図りやすいから、いろんなことが早く処理できる。これが、笑い(ユーモア)の経営的効果です」

笑い(ユーモア)を通じて人づくりにもたずさわっている中井さん。「これからの社会人は勉強だけができてもだめ。感性と教養のバランスが大切です。ユーモアの資質の高い人を、育成していく必要がありますね」

中井 宏次 | なかい こうじ

略歴
1952年 5月9日生まれ
1975年 3月 大阪薬科大学卒業
1975年 4月 吉富製薬株式会社
     (現:田辺三菱製薬株式会社)入社
      秘書室長、人材交流センター長、
      学術研修部長、四国支店長を歴任。
1985年 4月 安田火災海上保険入社(現 損害保険ジャパン)
      入社後内務・営業(自営店・企営店)を経験
2007年   同社退職
      NPO法人健康笑い塾設立
      大麻学園事務局長に就任

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