新入社員が辞めない職場づくり

株式会社人生百年サポート 代表取締役 十川 美加

column

2024.03.07

3月に入ると卒業や異動等で新たなスタートの季節ですね。新卒採用する多くの企業で、新入社員を迎える準備をしていると思います。最近は人手不足で、採用も本当に大変です。「せっかく入った社員には、継続して勤めてほしい」と、経営者だけでなく、職場にいる誰もが願っていることでしょう。

そこで、新入社員が辞めない職場づくりが必要になります。ひと昔前は、育成計画もなく、「先輩や上司の仕事を見て覚えよ」などとその場しのぎで、新人は、何のためにこの仕事をしているのか分からず、雑用ばかりに思えてすぐに辞めていくということもありました。さすがに令和の時代、このようなことはないと思いたいですが、自分が教えられたままの旧式なスタイルであれば、アップデートの必要があります。

ここは育成計画の出番です。まず、新人教育担当者を決め、任命された社員自身が“新人の教育係”という役割を認識することが大事です。自覚することによって、新人をよく見られるうえ、今までとは違う視点で仕事に取り組めるようになり、新人と一緒に成長することができます。次に、いつまでに、何ができるようになってもらいたいかを、できれば1年後、難しければ1カ月単位でゴールを決めて、具体的なアクションを設定し、現場で実践していきます。

と、ここまでは実際されている職場も多いかと思いますが、このアクションが成長に繋がるかどうかは、「ふり返り」の時間を取っているか否かにかかっています。これは、新人も教育担当者にとっても重要な要素をたくさん含みます。相互に何ができて、何ができていないのか、現状把握ができ、問題や課題が見えてきます。課題が明確になると、次から何をしたらいいのか、改善策を考えられます。このプロセスを一緒に行う時間をとることで、分からないことや、不安なことを話す機会ができ、安心感が生まれます。このような「ふり返り」の時間をまめに確保する(週に1回以上)ことで、新人と教育担当者のコミュニケーションの頻度が上がり、信頼関係にも影響してきます。自分のために時間を割いて、話を聴いてくれる人がいると思うだけで、辛いことがあっても乗り越えられるのではと思います。

会社を辞める一番の理由は、人間関係だそうです。

育成の方法は色々ありますが、まずは、人としての信頼関係を築く、社会人としてのスタートを人間不信にさせないためにも、信頼できる大人として関わって欲しいと思います。

株式会社人生百年サポート 代表取締役 十川 美加

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