ととのえる大事さ

グッドデザインスタジオ有限会社 代表取締役 香川 眞二

column

2016.08.04

最近、よく耳にし、意識する言葉に「ととのえる」というものがあります。

「ととのえる」は【整える、調える、斉える】と書き、〈整理する、必要なものをそろえる。調整してうまくまとめる。望むような状態にもっていく。乱れのないように形をきちんとする〉などの意味があるようです。

先日、住宅のデザイン設計をさせていただいたお客様(60歳代夫婦と30歳代子ども夫婦の二世帯住宅)から「私たちと子どもたちの住む環境がととのえられたので、今後の人生が楽しくなります。お互いの価値観を分かり合え、共有しながら楽しんで生活しています」という感謝のお言葉をいただきました。《ととのった生活》をお過ごしいただいているご様子です。

また、宿泊業をしている経営者の方(17年前から1期~4期工事にかけて、宿は常に進化している)からも、こんなお話をお聞きしました。お泊まりいただいたお客様(60歳代女性4人組)から「モダンで高級な宿とは違う、落ち着きのある大人なおもてなしですね。建物、部屋、佇まい、食事、風呂とすべてがととのっていますね」とのお声をいただいたそうです。これは《ととのったおもてなし》ということでしょうか。

四国内外で数件のビジネスホテルを展開している経営者の方からは、ビジネスパーソンにリピートでお泊まりいただくためには何が必要かというお話を伺いました。アクセスの良さ、予約のしやすさ、ゆっくりと体を休められる設備(風呂や朝食、アメニティグッズなど)。そして、それらとバランスのとれた料金設定。これも《ととのった価値》ということでしょう。

以上の3例は、生活環境、宿のあり方、設備と場面は違いますが、すべてはしつらえをととのえるということにつながります。「ととのえる」ということが様々な価値をつくり、またその価値が認められ、さらにその先の喜びや、満足につながるのではないでしょうか。

そして、そのことは特別なことではなく、我々は常にまわりを「ととのえる」ことを行っています。偏った視野でものごとを捉えるのではなくて、広い視野の中から先を見据えて「ととのえる」ことが大事なのではないかと思います。

グッドデザインスタジオ有限会社

商環境デザイン設計を行う。これまで手掛けた商業施設は500以上。四国以外でも関東から沖縄まで各地においてレストランや宿泊施設、ブライダル施設、ショップの他、病院や学校までデザインする。

グッドデザインスタジオ有限会社 代表取締役 香川 眞二

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