98.8%の企業に「何らかの影響」

第4回新型コロナウイルスに関するアンケート調査(全国) 東京商工リサーチ

Research

2020.05.21

「新型コロナウイルス」の感染拡大に伴う外出自粛や休業要請が、企業業績を直撃している。2020年4月の単月売上は、83.9%の企業が前年同月を下回った。「下回った」と回答した企業は、2月67.7%、3月74.9%で、4月は3月から9.0ポイント悪化した。

※本調査は2020年4月23日から5月12日の期間にインターネットを通じて行うアンケート調査で、4月28日午前9時までに回答のあった1万2,717社を速報値として集計、分析。企業規模は、資本金1億円以上を大企業、1億円未満・個人企業等を中小企業と定義した。

Q1.企業活動への影響は?

最多は「現時点ですでに影響が出ている」で77.1%。次いで「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が21.7%で、全体の98.8%が企業活動へ何らかの影響があると答えた。

小売業への影響が顕著

産業別で、「すでに影響が出ている」の最高は、小売業で85.0%だった。インバウンド需要の消失に加え、外出自粛や休業要請の影響が直撃したことがわかる。宿泊業や旅行業を含むサービス業他では84.3%だった。

Q2.今年4月の売上高は?

Q1で「すでに影響が出ている」と回答した企業に、今年4月の売上は前年同月を「100」とするとどの程度だったかを聞いたところ、「100以上」の増収は16.0%(6,186社中994社)にとどまった。83.9%が前年割れで、新型コロナの感染拡大が広がった2月以降、最悪の結果となった。「80未満」は中小企業が48.9%(5,435社中2,658社)とほぼ半数に近く、大企業は39.1%(751社中294社)だった。

Q3.「50%以下」に落ち込む可能性は?

現在の状況が続いた場合、5月以降で単月の売上が半減以下となる可能性を聞いた。 「ある」は53.9%、「ない」は46.0%と二極化した。Q2で4月の売上高が半減した企業は15.4%(6,186社中956社)で、多くの企業が今後を悲観的に見通していることがうかがえる。

「新型コロナウイルス」感染拡大による企業業績の悪化が、時間の経過とともに進んでいる。東京商工リサーチの企業データベースでは、新型コロナ前の企業業績はおおむね、増収「5」:減収「4」:横這い「1」の割合だっただけに、4月の厳しさが鮮明に浮かび上がった。新型コロナの影響は、消費支出の落ち込みで最初は小売業やサービス業に現れ、現在は製造業や建設業にまで波及している。このように目の前の事象だけでなく、その奥にも幾何級数的に拡大する特性を認識し、対応を考慮することが必要だ。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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