件数、負債総額共にコロナ禍前の水準に
香川県企業倒産状況(2023年)

東京商工リサーチ

Research

2024.02.15

《件数63件》
前年比 133.33%(2022年27件)
《負債総額9,699百万円》
前年比 118.74%(2022年4,434百万円)

特徴

①件数63件は2019年と並び過去10年間比較で最多<
②負債総額96億9,900万円は、過去10年間の比較で5番目
③原因別では、販売不振が56件で最多、『不況型』倒産は56件、構成比88.8%<
④産業別では、小売業が14件で最多、以下、建設業、製造業が各12件と続く

新型コロナウイルスに関連する倒産は22件

2023年の香川県企業倒産状況(負債総額1,000万円以上、内整理を含む)は件数63件で、負債総額96億9,900万円。件数63件は19年と並び過去10年間比較で最多。負債総額96億9,900万円は、前年比52億6,500万円増。過去10年間の比較で5番目だった。

市郡別では、高松市が35件で最多、坂出市、三豊市が各6件と続いた。形態別では、法的倒産が59件(破産55件、特別清算4件)。従業員数別では、5人未満が50件で最多、5人以上10人未満が8件、10人以上20人未満が3件、20人以上50人未満と、50人以上300人未満が各1件。10人未満合計58件の構成比は92.0%。負債総額別では、1千万円以上5千万円未満が35件で最多、1億円以上5億円未満が15件、5千万円以上1億円未満が9件、10億円以上が4件だった。

倒産63件の内、新型コロナウイルスに関連する倒産は22件だった。

販売不振が56件で最多、『不況型』倒産は56件、構成比88.8%

原因別では、販売不振が56件で最多、放漫経営が5件、その他が2件となった。『不況型』倒産は56件で前年比31件増、構成比88.8%だった。

小売業が14件で最多、以下、建設業、製造業が各12件と続く

産業別では、全10産業のうち、農・林・漁・鉱業を除く9産業で倒産が発生した。小売業が14件で最多、建設業、製造業各12件、サービス業他9件、卸売業8件、運輸業5件、金融・保険業、不動産業、情報通信業各1件だった。

前年は、サービス業他が11件で最多、建設業5件、製造業3件、卸売業、小売業、不動産業、情報通信業各2件だった。

農・林・漁・鉱業の倒産はなかった(前年も0件)。
内閣府が23年12月19日に発表した「月例経済報告」は、「先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。」との内容だった。

香川県の倒産状況について、コロナ禍にあった20年~22年は倒産が発生しない月もあるなど、ゼロゼロ融資や各種助成金、給付金等といった手厚い支援策が奏功し、倒産件数は抑制された。しかし22年12月度以降、県内の倒産件数は13ヶ月連続で前年同月を上回る状況が続き、23年の年間倒産件数は63件と22年の年間倒産件数27件と比して約2.3倍増加。また、負債総額も増加しており、23年の年間合計は96億9,900万円と前年合計の44億3,400万円と比して2.1倍超となっている。更に集計には含まれないが負債総額1,000万円未満の少額倒産の発生が複数あったことも意識する必要がある。件数、負債総額共にコロナ禍前の水準に戻ったと見られる。

東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 波田 博

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