事業承継全般の相談を受け付け

香川県事業引継ぎ支援センター

Interview

2020.11.19

写真の4人を含め全員で6人体制

写真の4人を含め全員で6人体制

香川県事業引継ぎ支援センターは、経営者の高齢化や後継者不在などで事業継続に悩む県内の企業を無料で支援している。窓口相談より企業への訪問相談が多く、2019年度の相談件数は301件。親族や従業員への事業引継ぎについてと、第三者への引継ぎ(M&A)が主な内容だ。

親族または従業員など後継者が決まっている場合は、事業を引継ぐ際の税制や株式の移動についてアドバイスするほか、事務手続きのサポートも行っている。「難しいのは後継者がいない場合」と話すのは統括責任者・安藤陽德さん。そんな時はまず、本当に後継者はいないのか、従業員、取引先の人など対象を広げて考えてもらう。「候補者としてAさんは無理だと社長は思っていても、周囲の人に聞くと十分できると評価されている場合もあります」

それでも後継者が見つからない場合は、第三者への引継ぎ(M&A)を考えることになる。「相談者の中には『うちのような会社は買い手がいないだろう』と思い込んでいる方も多いんですが、M&Aが成立するケースもあるんです。とにかくあきらめる前に相談してほしい」と訴える。また、事業引継ぎに向けた課題の抽出は自社の事業を見直し、強みを発見する機会にもなるという。

センターの最大の特徴は、事業規模にかかわらず支援をすること。「例えばM&Aならある程度の事業規模でないと、仲介専門事業者では扱ってもらえないこともある。そんな中小零細企業を支えるのが使命だと思っています」

家族経営の事業者の支援も多い。高齢の夫婦で営む飲食店がテナント契約終了を前に廃業を検討。そこで、飲食店を始めたい若手とマッチングすることで、新たなオーナーは初期投資を抑えて開店。設備だけではなく前の経営者の顧客も引き継ぐことができ、売り上げが伸びているという事例もある。

コロナ禍を機に廃業を考える人が増えている現在。地域の企業が事業を続けていけるよう、税理士や弁護士といった専門家とも連携する。同時に、「セミナーや出張相談などを開催して支援機会を増やし、少しでも廃業を防いで地域の事業と雇用を維持したい」という。

香川県事業引継ぎ支援センター

住所
香川県高松市番町2-2-2高松商工会議所1階
代表電話番号
087・802・3033
設立
2014年
事業内容
事業承継全般の相談受付
第三者への引継ぎ支援
M&Aのアドバイス
後継者バンクの運営
確認日
2020.11.19

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