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オコメール くりや

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2018.02.01

ミーティングルームには サンプルがずらり

ミーティングルームには
サンプルがずらり

「絶対に売れる」。お米の小売りと卸売りを行うくりや株式会社・代表取締役の德永真悟さんは、オコメールの開発に取り掛かった時、なぜか自信があったという。

德永さんは、小さな袋詰め商品を手掛けてみたいと前々から考えていた。そこに起きた2011年の東日本大震災。一時、一大産地である東北のお米の取り扱いが難しくなった。「世の中は自分の想定外のことが起きるんだ。外部環境に左右されない商品を作りたい」。そう思うようになった。

葬儀などの返礼品としてパック詰めの日本茶をもらうことがよくあった。「これがお米だったらどうだろう。必ず食べてもらえるんじゃないか」。封筒大のパッケージにお米を詰めて、企業のノベルティ(記念品や販促品)として使ってもらうことを思いついた。しかし、くりやにある従来の充填機では小袋に対応できない。そこで、茶葉やコーヒー豆を袋詰めする機械のメーカーに協力を依頼。手渡しにちょうどよい大きさで、メール便でも送れるオコメールが完成した。1合が10.7センチ×22.8センチ、2合が10.7センチ×26センチ。真空パックされており、厚さは1センチ程度だ。
オコメールのデザイン例

オコメールのデザイン例

オコメールを携えて、12年に東京ビッグサイトで開かれた「販促EXPO」に参加した。当初のパッケージは無地だったため、白い袋を陳列するだけでは面白くない。「字のきれいな社員が墨で『ありがとう』などメッセージを書いて並べたんです。中身は同じなのに、パッケージの言葉が違うと異なる商品に見えました」。会場での反響は大きく、カラー印刷はできないか、少量で作れないかなどの要望があった。袋メーカーの協力も得て、500個からカラー印刷も対応できるようになった。

パッケージのデザインは持ち込みか、くりやオリジナルのテンプレートから選ぶ。あえて余白を作り、メッセージやイラストが書き込めるタイプも。中に詰めるお米は全国の産地から選べる。「農業や食品と関係ない業種の企業にもノベルティとして使ってもらえるので面白いんですよ」。現在、年間約100万個の注文がある。
訪日外国人を ターゲットにした 和風パッケージ

訪日外国人を
ターゲットにした
和風パッケージ

オコメールは企業のノベルティとしてだけではなく、くりやのオリジナル商品としても販売している。浮世絵や漢字をモチーフにしたデザインが、訪日外国人観光客にお土産としてうけている。東京都内の量販店で販売されているほか、羽田空港の免税店でも取り扱いが始まった。「他の空港でも展開したいと考えています」。2月21日から東京で行われる「インバウンドマーケットEXPO2018」にも出品する予定だ。

【HP】http://oco-mail.jp/

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