半年間で完遂。秋から春にかけての四国霊場 八十八ヶ所巡りで得たものは・・・・・・

KDDI 理事 関西総支店長兼四国総支社長 皆谷 茂さん

Interview

2009.06.04

皆谷茂さんが、ニューヨークにあるKDDIアメリカから四国総支社長として赴任したのが、昨年10月。関西総支社長兼務の発令で3月末に高松を離れるまでの半年間で、四国霊場八十八カ所をすべて回ったという。「それまで興味はなかったのですが、こちらに来てから、土日の過ごし方として経済界の方々に勧められたんですよ」

時を忘れて見入った、根香寺の紅葉

最初に訪れたのは、10月下旬の第82番根香寺。折しも紅葉の季節。人気のない境内を、色づいたもみじが覆っていた。「紅葉といえば、美しいが観光客で混雑した京都のイメージしかなかった。しかし根香寺は違う。赤や黄色で敷き詰められた静かな境内に、色づいた葉がひらひらと舞い落ちている。なんという空間だろう・・・・・・。感じ入り、30分くらいぼうっと見ていました」

5年半に及んだニューヨークでの生活の疲れもあったのかもしれない。香川での勤務は、東京やアメリカでの仕事が続いた皆谷さんが、帰国後の勤務地として希望したのだという。

妻と同行二人・・・・・・?週末の寺巡りが始まる

それからというもの、土、日曜は遍路巡りにあてられ、カレンダーは計画で埋まっていった。たっぷり時間があるわけではないが、なるべく歩いて巡ることを旨とした。「例えば香川や徳島なら1日20キロ歩けば、7カ寺くらいはまわれる。電車などを利用して、どんどん歩きましたよ」。第66番雲辺寺へは麓から積雪の山道を登った。「サクサクと雪をふんで、頂上の寺まで2時間かかりました」。第88番大窪寺の手前には岩山の難所が待っていた。「これを登りきると目的地に着けるのだとの思いで」前へ進んだ。難所といわれる所にはロープウエーもあったが、皆谷さんは利用しない。「自分の力で前に進むことが大切なんです」。一緒に歩いた妻・美恵子さんの身体も半年で丈夫になったという。

遍路巡りには日本人の原点を見いだせる

皆谷さんは、八十八カ所の寺をまわり終え、空海は天才だと感じたという。「人間の可能性への挑戦に、ちょうどいい距離で寺は建っているんですね。次へ進みたい、ずっと追い求めたいと思わせるんです」。そして日本独自の美意識も。ゴージャスなものが好まれるが歴史の浅いアメリカでは得られない、日本独自のもの。「限りのあるものやいつかは朽ちて枯れていくもの、そして一生懸命生きている姿に私たちは感動するんですね」。日本の伝統や歴史が残されている寺には、日本人が依って立ちたいと思う何かがあると感じたという。

歩き遍路は、自分自身を見つめる旅ともなる。何をしたいのか、何をすべきなのか。快適なことばかりではない。「それでも、一歩前へ、一歩前へ。とにかく前に進むことが明日に繋がる」。それは日々の心の持ちようにもいえることだ。損得ではなく、自分のすべきことを探して見つけ出し、自分の信じる道を邁進することに。

四国には大都市圏にはない良さがある。温暖な気候や思いやりの心、穏やかさ。そして遍路道でたどる八十八の寺。「ぜひこの価値を、四国に住む人自身が感じ取ってほしい。そして大切に伝えてもらいたいですね」

皆谷 茂 | みなたに しげる

略歴
1951年 3月29月 群馬県生まれ
      早稲田大学教育学部卒
1974年 4月 KDD入社
1974年 6月 国際電話局
      国際電報局、外務省出向、東京支社次長、
      法人営業2部部長などを経て
1997年 7月 KDDマーケティング(株)社長
1999年12月 東京支社 副支社長
2001年10月 ソリューション営業第一部長
2002年 6月 ソリューション営業本部副本部長
2003年 6月 KDDI America, Inc. President & CEO
2008年 4月 KDDI America, Inc. Chairman
2008年10月 四国総支社長
2009年 4月 関西総支社長兼四国総支社長
写真
皆谷 茂 | みなたに しげる

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