あるべき姿を考え、進んでいく

三井住友海上火災保険株式会社高松支店長 大矢邦雄さん

Interview

2021.12.02

大学時代、関西学院大学のアメリカンフットボール部で、司令塔であるQBとして活躍した。アメフトはポジションごとに役割がはっきり分かれている。体は小さくても俊足を生かして敵地に切り込む、フィジカルの強さで自陣を守る、運動は苦手だが戦術スタッフとしてチームを支える。
大学4年時のプレー中の写真

大学4年時のプレー中の写真

「一人ひとりが個性を発揮しながらチームとして目標に向かうところは、多様性を受け入れながら進む会社組織と似ています」

会社というチームが成長するためには、最終的にどんなゴールを目指すのか、あるべき姿はどういうものかを考えることが大切だという。

ある言葉がきっかけで

善通寺市と「SDGs推進に関する協定」を締結

善通寺市と「SDGs推進に関する協定」を締結

あるべき姿を明確にして、何をすべきかをゴールから逆算していく。それを意識して仕事をするようになったのは、ある企業の福利厚生制度を担当した時の、企業側の担当者の言葉がきっかけだった。

福利厚生制度は、従業員の健康や生活の質を高めるために企業が行う取り組みで、法律で定められているもの以外にも、人間ドック費用や託児施設費用、自己啓発費用の補助、退職一時金制度など、さまざまな内容がある。数々の手当や制度を提案する中で、「結局、私たちは今、どんなゴールに向かっているのかわからない」と言われた。

「その通りだと反省しました。限られた予算で従業員が満足できる制度は何か。ニーズをくみ上げ、担当者と徹底的に話をし、工程を綿密に考えて制度をつくりました」。いい制度ができたと感謝されたことが、何より嬉しかったという。

その後、より大きな企業の福利厚生制度を数年かけて設計した際も、経験を生かすことができた。試行錯誤しながらもやり遂げる。成功体験を積み重ねることで、新たなことに挑戦した時も自分が何をすべきかわかるようになる。「今は、部下が自分で考え、成功体験を積み重ねられるようサポートするのが私の仕事だと思っています」

地域の課題解決から

支店長として描く高松支店が“目指すゴール”の一つは、商品・サービスを通して地域の課題解決をお手伝いし、その結果として事業を成長させるというものだ。例えば、交通事故防止のため香川県と連携協定を締結したのもその一環だ。

自動車保険に専用ドライブレコーダーを活用したサービスが付いている「見守るクルマの保険(ドラレコ型)」に、香川県が作成した「AIが予測した交通事故危険度予測マップ」データを搭載し、危険度が高いとされた地点に近づくとアラートで知らせる仕組みを全国で初めてつくった。

ほかにも、事業継続に関するBCP策定支援、SDGs推進といったさまざまな分野で、香川県や県内の市町、さらには地元企業や団体との連携を進めている。その背景には、地域が活性化しないと、企業の成長はないという考えがある。「時代が大きく変化する中で、新たなビジネスの形を模索する必要があります。地域の課題に向き合うことで新たなマーケットが広がる、連携を通してつながった他の企業と協業できる可能性もあります」

自治体、企業や団体との協定の締結はゴールではなくスタート。「支店のメンバーには、地域とのプロジェクトを通して得た成功体験をもとに、大きく成長してほしいと思います」

石川恭子

大矢 邦雄 | おおや くにお

略歴
1970年 神戸市生まれ
1989年 関西学院高等部 卒業
1993年 関西学院大学商学部 卒業
    三井海上火災保険株式会社 入社
2004年 三井住友海上火災保険株式会社
<北海道本部 札幌支店 営業第二課 課長代理
2008年 名古屋企業本部 名古屋企業営業第一部 第三課 課長
2015年  関西企業本部 関西企業営業第三部 公務開発室長
2019年 関西企業本部 関西企業営業第三部 公務開発室長
< 兼 関西企業本部 課長 大阪・関西プロジェクト推進担当
2020年 四国本部 高松支店長

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