笑顔になれるまちづくりで恩返しを

どっかーん!!と観音寺を盛り上げ隊 隊長 須田 雅夫さん 副隊長 松本 健一さん

Interview

2022.12.15

観音寺の文化を広く発信し、グルメ情報やイベントを通じて地域ブランド向上に取り組む「どっかーん!!と観音寺を盛り上げ隊」。2019年、須田さんが理事長を務める観音寺信用金庫100周年記念事業として、「地域にドカンと恩返しをしたい」という思いに賛同する地元事業者らとともに立ち上げた組織だ。3年間でメンバーがほぼ倍増し、現在は業種の枠を超えた54社4団体が名を連ねる。

設立早々に手掛けた「天空の七宝鍋」プロジェクトは、弘法大師伝説の残る七宝山にちなみ、観音寺の豊かな食材を「7つの宝」に見立てたオリジナル鍋料理の提案。特産のロメインレタスと伊吹のいりこを使う白みそ仕立ての鍋で、それ以外の具材は地域の協力店舗がそれぞれ個性を出して提供している。「地元自慢の食材も、素材のままではBtoCの販路展開が難しいのが課題でした。それなら調理法を確立してブランド料理を生み出し、食材の魅力を生かすアイデアを広く提案しようというアイデアです」と松本さん。

これを皮切りに飲食店や食品製造会社が次々と商品開発に取り組み、鍋にとどまらずうどんやスープの素、餃子など「天空の七宝」シリーズ化に発展。隊の活動をまとめた広報リーフレットでも、提供店やシリーズ商品の紹介に力を入れている。

観音寺に根差す企業が母体の組織として、少子高齢化が進む中で地域産業の基盤を守るためにも、特に若手や子どもたちに向けた発信力を重視している。設立当初から開催している「おいしいかんおんじ物産展」は、今年11月で5回目を迎えた。第5回は単なる物販を超えた交流の場ととらえて、「子どもから大人まで楽しめるひとときの笑顔」をコンセプトに掲げ、縁日やミニSL乗車体験、大人向けには血管年齢測定といったさまざまなイベントを新たに企画。親子連れをはじめ約5000人の来場者でにぎわった。例年行っていた市コロナウイルス感染症対策応援基金への寄付に代わって、売上の一部と隊員企業からの寄付金を地域の小学校に贈呈する教育支援も、今年からスタートしている。

須田さんは「観音寺で育った子どもたちが『将来戻ってきたくなるまちづくり』が目標です。地方経済は厳しい時こそチャンスがあると思っています。今は苦しい時代ですが、ここで大きく帆を張ってふんばれば、飛躍の時がきっと訪れるはず。それを信じて、商業で栄えた観音寺に活気を取り戻し、地域の皆さんとともにまちを笑顔にしていきたい」と意気込んでいる。
第5回おいしいかんおんじ物産展の様子

第5回おいしいかんおんじ物産展の様子

戸塚 愛野

どっかーん‼と観音寺を盛り上げ隊事務局

住所
香川県観音寺市観音寺町甲3377-3
代表電話番号
0875-25-2181
地図
URL
https://all-kanonji.jp/
確認日
2022.12.15

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