今こそ声高らかに歌へよ、FFJの歌

香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

column

2019.10.17

NHKの朝ドラ「なつぞら」が9月末で終了した。とても、元気や勇気を与えてくれるドラマだった。

ヒロインの奥原なつ(広瀬すず)は戦災孤児。戦後すぐ北海道十勝の開拓農家で育てられる。開拓者魂を持つ酪農家のじっちゃん(草刈正雄)、菓子屋のばっちゃん(本県出身の高畑淳子)達がなつの夢と成長を支える。

なつは牧場を手伝いつつ、農業高校に通う。愉快な仲間に囲まれ、勉強に演劇に青春を謳歌する。悲喜折々に仲間たちと声を張り上げ、右手を大きく振って歌う。「香る大地にがっちりと/学と行とを両の手に/伸びる生命のたくましさ/明日の日本の農業に/若い息吹をふき入れる/FFJ/FFJ/われらの希望」と。

この歌、日本学校農業クラブ連盟歌、通称「FFJの歌」と呼ばれる。FFJとはFuture Farmers of Japanの略。現在でも農業高校の生徒たちは全員この日本学校農業クラブの会員となる。そして、学校行事にはFFJの歌を合唱する。

来る10月22日から3日間、第70回日本学校農業クラブ全国大会が山形県をはじめ南東北で開かれる。別名「農業高校の甲子園」。全国9地区の予選を勝ち抜いた高校生たちが、研究プロジェクトや将来の農業について意見を戦わせ、日本一を競う。

四国大会は8月20日、21日にユープラザ宇多津で開催された。各県の代表13校の82人の高校生が、日頃の学びの成果を披露し、農業への夢を熱く語った。素晴らしかった。そして、ここでも農業を学ぶ若人の絆の証としてFFJの歌が会場に響いた。

農業は新たな時代を迎えようとしている。AI農業や高付加価値化の進展、法人化による働き方の変化、流通の多様化や外国への販路拡大が進む。農的な生き方に共感する新規就農者も増え始めた。

農業を学ぶ若い皆さん。次の時代はあなた方の時代だ。農業高校での学習は、理論と実践、主体的・対話的で深い学びの先進モデルだ。農業は根源的でチャレンジングな職業となる。どうぞ開拓者の魂で、今こそFFJの歌を高らかに歌えよ!

香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

写真
香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ