中古戸建住宅の性能向上を目指す 「香川 丸亀の家」が四国初竣工

YKK AP / 住空間設計

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2020.02.28

YKK AP(東京都)と、住空間設計(高松市)が共働し、中古戸建住宅の性能向上リノベーションを実施するプロジェクトの四国初物件となる「香川 丸亀の家」を竣工した。プロジェクトは「空き家の増加」に対して、既存住宅の性能を上げて質の高い住宅のストックを増やすことで課題解決を目指す、意義ある取り組みとして注目されている。

日本の住宅市場はこれまで「新築住宅の供給」に力を入れた政策が続き、少子高齢化が進む中で「空き家増加」の一つの要因といわれている。そこで、質の高い良質な既存住宅を社会全体の財産としてストックし、流通させる動きが全国的に広がっている。香川では、

2017年に地域内の高機能な住宅ストックの増加を目指して「さぬき安心あんぜん住宅普及協議会」が発足。良質な住宅の目安となるよう「安心あんぜん住宅」の認定も進めている。

今回竣工した住宅は、「安心あんぜん住宅」に認定された、先進的なリノベ―ション事例。快適な住環境のポイントともいえる「窓」に、YKK AP四国製造所(宇多津町)で生産された高性能樹脂窓「APW 330」を採用することで、冬でも体感温度13度を下回らない快適な空間が実現した。

断熱性能は改修前の2.3倍になり、年間冷暖房費3割減のシミュレーション結果も出た。耐震性能はYKK APの耐震商品「FRAMEⅡ」などを採用し、吹き抜けがある間取りでも耐震等級3相当(震度6強の地震でも倒壊しない強度)に向上した。

「プロジェクトはYKK APが全国の事業者と連携して、住まいの価値を『窓・開口部』でどれだけ向上させられるか実証するもの。持続可能な住環境の提供に貢献したい」というのはYKK AP四国支社長・瀬戸伸介さん。また、住空間設計社長・大北和則さんは「住宅ストック市場の活性化に取り組み、“つくって壊す”から“いいものを長く使う”社会への転換を目指していきたい」という。

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