「地産地消」通貨で地域を豊かに

サイテックアイ 代表取締役社長 大澤 佳加さん

Interview

2023.02.16

コロナ禍で特別定額給付金が一律現金給付された際、大澤さんが目の当たりにしたのは「現金給付だと多くのお金が香川県内で消費されず、貯蓄や地域外での消費に使われてしまう」という現実だった。「地域の財源を地域の中で循環させ、まちを活性化する地域通貨インフラの必要性を痛感しました」
店頭でのサービス利用イメージ

店頭でのサービス利用イメージ

その思いを温め続け、2022年4月にスマホアプリ「My Digital Wallet」、通称マイデジをリリース。同社は09年から地域ポイントサービス「めぐりん」を展開しているが、利用には専用カードが必要で、機能もポイントを貯める・使うのみに限られていた。一方、マイデジはアプリを通じてポイント付与・利用からクーポンサービス、お知らせ配信、ポイント交換、地域団体への寄付といったさまざまなアクションを一括管理できる。アプリ内の抽選に応募するポイントは香川県のNPO団体等へ寄付され、楽しみながら間接的に社会貢献できる仕組みも。利用できるシーンは今後もさらに増やしていくという。

ユーザーの持つアプリがサービス利用のベースとなるため、店舗側は事前審査や高額な設備導入が不要で参画しやすい。動画視聴でポイントが貯まるサービスが企業広告の場にもなる。消費活動に限らず、あらゆる層を巻き込み柔軟に結び付けていく構想だ。

2023年1月現在、アプリユーザーは約3万6000人。カードユーザーを含めると10万人以上が同社のプラットフォームを利用している。「アプリ化したことで、地域性の高いコミュニティで活用できるシーンが増えました。5年前にはできなかったことが、技術の進歩で可能になったのも大きいですね」と大澤さん。デジタルでデータ分析を行うことで新たな行政支援や官民連携サービス構築に活用し、より豊かな地域社会の実現に貢献しようと意気込む。
マイデジは令和4年度の高松市デジタル田園都市国家構想(Type3)の実証事業の中で、2022年11月頃からマイナンバーカード認証によるプレミアム付きデジタル商品券事業や複数の地域ポイントを活用した事業を展開している。健康診断やコロナワクチン接種情報などと連携する「とくとくマイヘルスケア」、買い物をした際のレシートをポイントに換える「レシートクエスト」、公共交通機関の利用状況と連携する「コンシェルジュforモビリティ」などが2023年2月末まで実装中で、いずれもユーザーはマイデジアプリを登録し事業に参加することでポイントがもらえる。防災意識向上と健康づくりを目指す新たなポイントサービスも実装予定だ。

同社の経営理念は“ふるさとの愛とありがとうをかたちにする”。「お金や大手ポイントサービスに比べて地域通貨は不便かもしれませんが、『地域のお金を地域でまわす』にはお金より有効で地域のデータを的確に収集できるものにもなるはず。まだまだ大きな可能性があると思います。地域全体を支える共通プラットフォームとして、あらゆる地域課題をコミュニティの中で解決できるアプリに育てていきたい」と語った。

戸塚 愛野

大澤 佳加 | おおさわ よしか

略歴
1970年 さぬき市生まれ
2013年 サイテックアイ株式会社入社
2016年 同 代表取締役社長就任

サイテックアイ株式会社

住所
香川県高松市上之町2丁目8番27号
代表電話番号
087-899-6512
設立
2009年1月21日
事業内容
地域通貨サービス運営・コンサルティング事業
デジタル商品券アプリ、管理システム導入支援事業
地域DX促進活動、観光支援事業
デジタルソリューション事業、ICTプラットフォーム事業
ローカル5G導入コンサルティングサポート事業
地図
URL
https://psytec-ai.com/
確認日
2023.02.16

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