企業の存続を多角的にサポート

日本政策金融公庫 高松支店長兼国民生活事業統轄 乃村 克利さん

Interview

2023.09.07

金融業界が「花形」といわれたバブル最盛期。大学の先輩を通じて国民金融公庫(当時)を知り、幅広い業種の経営者とかかわるチャンスを通じて自分の財産となる人脈が築きたいと進路を決めた。東大阪支店の融資部門でキャリアをスタート。150万円規模の店舗改装に関する融資を担当したことをきっかけに、「身近なところでも融資が役に立っている」と実感したことは、今も印象深い思い出だという。

融資・債務管理から支店長へ

兵庫の豊岡支店で融資課長を務めたのち、大阪と、北関東エリアの拠点となる埼玉では債権管理を担当して視野を広げた。長崎支店で副事業統轄となり、支店長としてのキャリアは2018年、山口県の徳山支店長就任が端緒。10人ほどの小規模店だが、間もなくコロナ禍が深刻化し、自身のキャリアでも例がないほど融資の申し込みが殺到して忙殺される日々を送った。

明石支店長を2年務め、23年から高松支店長に。「四国赴任は初めてですが、私は坂出市王越町にゆかりがあって、自分のルーツに連なる地を踏んだのもご縁と思って励みたい」と意気込む。これまでの支店経験を踏まえ、「県内1支店体制の香川県は、一業種に集中しすぎず県内で多業種がオールマイティに展開・完結している珍しいエリア」と指摘。「地域ブランドも確立しているし、たとえば香川でこれほど数多くのうどん屋が成立しているノウハウには、独自の奥深さもうかがえます」

関係団体と連携し 地域貢献に情熱を燃やす

趣味は旅行。屋久島の縄文杉を訪ねたことも

趣味は旅行。屋久島の縄文杉を訪ねたことも

現在支店長として感じるのは、「もはや融資だけしていればいい時代ではない」ということ。「国民生活事業のお客さまは小規模事業者が多く、私たちだけで一人一人と向き合うのは不可能です。地域の民間金融機関や商工会議所・商工会など外部関係団体としっかりコミュニケーションをとって、協力体制を深めたい。コロナ禍後を見すえた資金繰り支援だけでなく本業支援にも力を入れつつ、税理士の先生方をはじめ外部の専門家との連携をコロナ禍前のレベルまで早急に回復させて、融資後のフォローアップにも注力する方針です」と意欲的だ。

高齢化や後継者問題に悩む経営者に対しては、全国規模のネットワークを生かし、勢いのある企業や多角化を検討している企業とのマッチングを提案できる強みもある。「企業を存続させるためのサポートは惜しみません。時間のかかることですから、計画的な事業承継をお手伝いしたい」

こうした動きを支店が一丸となって進めるためにも、職員同士の交流や社内研修を積極的に推進。「スキルが固定化しがちな傾向がありますから、視野を広げるためにも、一人一人が自己研鑽と職域拡大を進めてほしい」と語り、支店長就任後は職員との個別面談を通じて現場の声にも耳を傾けている。「利益追求型の組織ではないからか、世の中の役に立ちたいという情熱を持つ職員が多い。お客さま第一を徹底し、あっと驚かせるような提案力を発揮して、地域に貢献できればうれしく思います」と語った。

戸塚 愛野

乃村 克利 | のむら かつとし

略歴
1967年岡山県生まれ
1986年 岡山県立倉敷天城高校 卒業
1990年 岡山大学経済学部 卒業
    国民金融公庫(現・日本政策金融公庫)入庫
    東大阪支店配属
2008年 豊岡支店 融資課長
2011年 大阪支店 債権業務第一課長
2014年 北関東信越地区債権業務室 副室長
2016年 長崎支店 副事業統轄
2018年 徳山支店 支店長
2021年 明石支店 支店長 
2023年 高松支店 支店長

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ