フランチャイズのノウハウで
地域の困りごとをサポート

讃州電気工事株式会社 常務 佐藤 攻 さん

Interview

2023.11.02

『住まいのおたすけ隊』は「エアコンが効かない」「コンセントを増やしたい」「換気扇の掃除が大変」など住まいや暮らしのさまざまな困りごとに電気・空調のプロが応じる出張サポートで、島根発祥の全国フランチャイズ。讃州電気工事株式会社では、昔ながらの電気屋が少なくなる中で地域のニーズの受け皿になろうと2016年からスタートした。

1970年創業の同社は、半世紀にわたって公共施設をはじめとする電気工事を広く手掛けてきた。香川・愛媛で約30人の技術者を擁し、大規模な現場にも対応できる確かな施工力とフットワークの軽さが強みだ。しかし一方では、知名度が思うように伸びていないことに課題も感じていたという。

おたすけ隊は主に四国全域を対象とし、「利益を追求するより地域での知名度を高めたい」との思いから、家庭の電球交換1個でも惜しまず出動した。「当初は依頼が少なかったものの、小さな出会いが大きな取引につながることもありますから、地道に信頼を積み重ねることが大事。こちらからガンガン営業をかけていくスタイルではなく、アプローチにきちんと応える形でコツコツ知名度を上げていこうとしています」

それが実を結んでか、2年ほど前から問い合わせが活気づき、地域の一般家庭だけでなく大都市圏の企業や同業者からの依頼も大きく増えている。同じフランチャイズに加盟している施工者の中でも、技術者層の厚さを生かした機動力はストロングポイント。今後公共工事が減少する見通しの中で、同社にとっておたすけ隊の重要性はますます増していくと佐藤さんはみている。

おたすけ隊の全国ネットワークがあれば、専門性の高い分野を新たに開拓しようとする際も成功・先進事例に学びやすい。同社は技術者の4分の3が20代ときわめてフレッシュな体制だが、「ベテランのもとで新しいことをゼロから学べる土壌があまり確立できていなかった」と佐藤さんは指摘。そこをフランチャイズのネットワークでカバーできれば、施工力の向上につながる。

同社にこれほど若手が多いのは、近年思い切った世代交代で社内改革を進めてきたからだ。おたすけ隊を立ち上げた島根の企業が唱える「BB(ビッグ・ブラザー)制度」を採用し、新入社員と同部署で年齢の近い先輩が指導役となって寄り添うことで、若手の定着にもつながった。資格を取って活躍する女性技術者もおり、そのうち一人はおたすけ隊の中核メンバーとして最前線に立っている。

「育成には力を入れ、資格取得も全面的にサポートします。入社してから専門知識を学ぶ若手も多いですよ。組織がしっかりしていれば、未来のある若手が多いほど右肩上がりに成長していけるはず。フランチャイズ加入をきっかけに、当社が目指す環境が整いつつあると感じます」。技術力と人材力を兼ね備えた同社の挑戦は、まだまだこれからだ。
常務取締役 佐藤攻さん(右端)と技術者の皆さん

常務取締役 佐藤攻さん(右端)と技術者の皆さん

戸塚 愛野

讃州電気工事株式会社

住所
香川県高松市寺井町239番地1
代表電話番号
087-886-5151
設立
創業 昭和45年3月
社員数
36名
事業内容
電気工事、空調工事、衛生工事、通信工事
地図
URL
https://www.sansyu-denki.co.jp/
確認日
2023.11.02

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ