OEMノウハウを生かし
グローバルな展開を

芳香園製薬株式会社 企画部営業企画課 三木 耕作さん

Interview

2024.03.07

創業は1950年。草創期は自社で開発した医薬品の卸売からスタートし、全国に商品を展開した。現在はOEM事業に注力しており、柔軟な開発力を強みに売上の8割を支えている。主力となるのは健康食品と化粧品。海外進出にも力を入れ、本格的にOEMメーカーとしての規模拡大を図ろうとしているところだ。
営業担当は全国に10人、いずれも現地で採用し、顧客に近い位置で迅速に対応できる体制を確立。国内・海外問わず、顧客が要望する多種多様な製品企画に基づく処方設計から、生産者が「これでサプリをつくってほしい」と原料を直接持ち込むケースまで、製造規模に関係なくさまざまな要求に対応する能力は「お客さまにとって使い勝手がいいのでは」と三木さん。70年のノウハウを活かしたコンサルティング業務や関連法案への対応など幅広いサポートも提供し、既存の顧客だけでなくサプリメント業界への新規参入者にも広く支持されている。

「マーケットの国境が薄くなっていると感じる」と語る三木さんによれば、日本や韓国の商品はアジア圏で人気が高く、ECサイトの普及に伴い消費者層のグローバル化も進んでいる。経済成長が著しい東南アジアではニーズが変化しつつあり、所得の向上やライフスタイルの変化に伴って美容・男性用サプリメントの需要が好調。高齢化に伴い生活習慣病の改善を目的としたサプリメントも人気で、ベトナムでは大気汚染による健康被害が深刻化し、特に子どもたちの健康を守るため「肺に良いもの」を求める声も高い。
「ええもんフェスタ2023」出展ブース

「ええもんフェスタ2023」出展ブース

同社は5年ほど前から海外進出に力を入れ、ベトナムをはじめとする東南アジア市場で販売網を構築し、さらにOEM事業の本格展開を目指しているところだ。紹介を中心に少しずつ顧客層を拡大してきたが、海外展開には初めて直面する課題も多い。「国内で培った商品開発のノウハウはありますが、商品そのものに興味を持ってもらえても、宗教や文化、法律の違いによるギャップがあります。中国やヨーロッパの競合商品も多い。価格帯やデザインも含めて、日本国内と同じようにはいきません」。宗教規律にかかわったり、日本では健康食品でも海外では「薬」に分類される原料が含まれる商品などは、別の素材で対応はできるものの、価格や規格値が変わってしまうこともある。

輸出入のノウハウなど海外展開に必要な知識は、海外の顧客とのコミュニケーションやJETROなどとの連携を通じて深めている段階。三木さんは「海外からさまざまなお引き合いをいただくということは、我々の価値を示していると考えている。現在、我々自身、自社の強みが何かを改めて模索しているところです。グローバル化する市場で、着実に需要を伸ばしていきたい」と語った。
ベトナムの顧客と商談にのぞむ濱田康則会長

ベトナムの顧客と商談にのぞむ濱田康則会長

戸塚 愛野

芳香園製薬株式会社

住所
香川県綾歌郡宇多津町浜八番丁134-5
代表電話番号
0877-49-0021
設立
昭和25年4月1日
事業内容
製造・販売
一般用医薬品・医薬部外品・医療機器・化粧品・健康食品・健康関連用品 等

受託製造
医薬品・医薬部外品・医療機器・化粧品・健康食品 等
地図
URL
https://www.hokoen.co.jp
確認日
2024.03.07

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