信頼できる商品を、気軽にゆっくりと選んでほしい・・・・・・。
身近に感じられる店作りを進めています。

ふとんとギフトのカネチ 代表取締役社長 逸見 昌郎さん

Interview

2009.08.06

1723年(享保8)、綿布を扱う商店として創業し、現在は布団の製造・卸を営む筑前屋。その小売り部門が今回紹介する「ふとんとギフトのカネチ」である。代表取締役社長の逸見昌郎さん(61)がよく口にするのは「安全と信用」という言葉。間違いのない商品作りと消費者に対する誠実な姿勢が、286年という店の歴史を作ってきた。逸見さんの思いに迫った。

快眠を体感できる店作り

高松市扇町の県道沿い、2階建て延べ面積400坪を誇る県下最大級の寝具店「ふとんとギフトのカネチ」。店内に入り気づくのは、さまざまな寝具の体感コーナーだ。1、2階合わせて7カ所ほど設置、商品を実際に使用してその感触が試せるよう工夫している。「スタッフは詳しい説明もできますが、実際の手触りや肌触りを感じていただくのが大切なんですよ」と逸見昌郎さん。

生活様式の変化は、寝具の種類を増やした。掛け布団に敷き布団、ベッドに対応した布団など。季節ごとに使用する布団も違う。材質も昔ながらの綿に加え、羽毛や化学繊維綿などその幅も広がった。どんなものを選べばいいのか。その基準は値段か、品質か。迷ってしまうことは多い。だからこそ使ってみて実際の感触を知ってほしい、その上で納得できる商品を選んでほしいと考えている。「気軽にどんどん使い、触ってほしいんです」。専門店だからこその思いがこもっている。

「どこでも同じ」ではない自信の自社製品づくり

布団は中身が見えない商品でもある。だからこそ、その中身の品質にはこだわってきた。その一つが、羽毛布団での取り組みだ。
カネチでは、純度の高い羽毛を産出するポーランドのマザーグース農場と契約を結んでいる。2006年に逸見さんがポーランドまで赴き決めたものだ。ポーランドの寒暖の差が激しい気候と豊かな自然の中で育ったホワイトコウダ種(純白のポーランドオリジナルグース)からは高品質の羽毛が収穫できる。カネチではその羽毛を輸入し、自社製品を作っているのだ。「飼育農場がはっきりしているため、トレーサビリティには自信が持てる。お客様との信頼関係も築けます」。どこの店で買っても同じ、では決してないのだ。自社ブランド綿を作ってきたカネチの歴史は、羽毛布団の製造でも活かされている。

もっと店を身近に感じてほしい。様々なサービスで、お客様とぐっと接近

「カネチをもっと身近な店にしてほしい。お客様の声を積極的に活かしていきたいんです」。使用感はどうか、どんな商品を求めているのか、どんな店を望んでいるのか。「お客様との会話の中からそれは汲みとることができる。そのためにも気軽に来ていただけるような間柄を作りたいんです」。
そんな思いからスタートした「カネチ友の会」では、年に1回会員対象の温泉旅行を実施、昨年は白浜、今年は伊勢・鳥羽に出かけた。「何時間か一緒に過ごすことで、気軽に話せる雰囲気が生まれますし、お客様同士の輪も広がります」。店主催のイベントへの参加者も増えるなど、効果が見えてきている。

店内にはほっとできる空間として、喫茶コーナー「コットンカフェ」も作った。商談での利用だけでなく、「お茶ができる場所」として活用できると喜ばれている。

ほかにも、羽毛の仕立て直し、布団の打ち直しなどの相談受け付けや、名前の刺繍、枕の無料測定など、様々なサービスを打ち出している。さらに2年前には長男の亮平さん(32)が帰郷、経営に参加した。若い世代の新鮮な視点で店作りのアイデアも広がっている。
逸見さんは「気楽に来ていただき、そしてゆっくりと商品を選んでいただきたい。安心でき、信頼できる店をこれからも作っていきます」と結んだ。

逸見 昌郎

筑前屋株式会社 ふとんとギフトのカネチ

住所
香川県高松市扇町
代表電話番号
087-821-5077
設立
1723年
社員数
15人
事業内容
寝具、インテリアの製造・卸・小売り
沿革
1723年(享保 8年) 現在の高松市丸亀町創業
1921年(大正10年) 株式会社に組織変更
1946年(昭和21年) 高松市扇町2-11-1に住所変更
1995年(平成 7年) 小売業「ふとんとギフトのカネチ」
     を開始
資本金
2000万円
地図
URL
http://www.ofuton.co.jp
確認日
2009.08.06

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