歯科医院の在り方を刷新する
「予防」主軸のビジネスモデル

しん治歯科医院COO 髙橋 翔太さん

Interview

2023.10.05

セミナー風景

セミナー風景

歯科医院の役割には、口腔トラブルに対処する「治療」と、トラブルを未然に防ぐ「予防」がある。全国7万軒ともいう歯科医院の中で、予防を経営の軸として確立しているクリニックはまだ少ない。医療法人社団しん治歯科医院 COOの髙橋翔太さんが唱える「デンタルフィットネス」は、予防診療を通じて歯科医院の経営改善を図るストック型の次世代ビジネスモデルだ。

歯科医院は歯科医師である院長先生が経営するのが一般的。しかし、IT・金融・広告業界などでキャリアを積んだ髙橋さんは、歯科医師ではないが、歯科医院を経営している。「さらに同業者である他の歯科医院にコンサルティングまでやるのは、業界でも僕くらいじゃないかな。コンサルタントは『サービスや企業の医者』とも言われます。つまり、クライアントの病気を治し切る責任がある」。多くの歯科医院が予防歯科を手掛けていても、どうすれば経営の軸になるのかはわからないまま運営しているケースが多いと指摘。30年来予防に力を入れてきたノウハウと実績があり安定した経営を守っている自院を、予防歯科の成功例として、投資対効果が200~900%ともいう再現性の高いパッケージにまとめた。

予防歯科を単なる「年数回のクリーニング」ととらえていると、患者は「通院の前後だけ多少意識して歯を磨く」「そのうち何となく行かなくなる」という状況に陥りがち。デンタルフィットネスは患者自身の「正しい口腔ケアを習慣化するトレーニング」に重点を置き、定期的な通院の目的を「プロによる健康状態のチェック」とするため、日々のケアに対する患者の意識が大きく変わるのが特長だ。しん治歯科では外来患者の2分の1が予防歯科の患者で、3カ月に1回の定期健診のリピート率が99%を超える。全国平均が60~70%という中、きわめて安定したストック型ビジネスモデルを確立しているといえるだろう。

デンタルフィットネスのコンサルパッケージは1年での卒業を前提とした塾型式で、1期20医院を定員として年間最大80医院の受講を受け付ける。卒業生はストックせずにどんどん送り出す方針だ。近年コロナ禍でセミナーがオンライン化したことで一気に導入事例が増え、全国約130の歯科医院が実践している。

同業者の間で同じビジネスモデルが広がると、いずれ競合するリスクがありそうだが、「むしろまだまだ増えてほしい」との構え。「治療が必要な患者が全体の1割とすれば、予防歯科の顧客になりうるのは残り9割です。予防歯科は治療と違ってストックビジネスですから、極端な話、一定数の顧客が獲得できれば新規開拓の必要がありません。デンタルフィットネスを実践する医院が国内に1万軒増えたとしても、国民全員をケアするには全然足りないくらいです」

歯は一度悪くなると完全に元には戻らない。より長く健康に、ハイパフォーマンスを保って過ごすには、予防の重要性を啓発していく必要がある。デンタルフィットネスが目指すのは、国民の口腔状態がよくなり、歯科医院の経営もよくなり、口腔トラブルと密接にかかわる生活習慣病などの減少にもつながり、ひいては医療費が削減できる、そんな好循環。歯科業界に実践者の輪が広がれば、予防歯科の在り方に大きなムーブメントが起きるかもしれない。
歯科専門コンサルタント 髙橋 翔太さん

歯科専門コンサルタント 髙橋 翔太さん

戸塚 愛野

医療法人社団 しん治歯科医院

住所
高松市牟礼町原594番地1
代表電話番号
087-845-6644
事業内容
歯科医院、企業主導型保育園
地図
URL
http://shinji-shika.jp/
確認日
2021.05.07

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