人も場所も未知との遭遇楽しむ

全日本空輸 高松支店長 中島 浩さん

Interview

2017.09.07

今年4月、高松支店長に着任。妻と2人の娘と一緒にやって来た。単身赴任をするつもりだったが、妻の「すごく素敵なまち」というひとことで、家族の帯同が決まった。

「島々の眺望は癒やされます。それを多島美と表現するとは知りませんでした。素晴らしい景色の中で青春時代を過ごすことが、子どもたちにもいいだろうと考えました。首都圏だと雑音が多い」。子どもたちは学校が終わるとまっすぐ帰宅し、勉強時間が増えた。

歴史から判断力養う

休日はスポーツクラブとゴルフと読書。香川に来て驚いたのは、池に向かって打つゴルフ練習場があること。「おかげでコースに出た時、池が怖くなくなりました」。ベストスコアは84で、ホールインワンしたことも。「一緒に回っていた人やキャディさんにお祝いをしないといけなくて、痛い目に遭いました。今はホールインワン保険に入っています」と笑う。社外の人とリラックスして話ができるのがゴルフのいいところだという。
休日はスポーツクラブで汗を流すほか、ゴルフやランニングも

休日はスポーツクラブで汗を流すほか、ゴルフやランニングも

就職した時、父に「歴史からは優れた判断力を養える」と勧められて歴史小説を読むようになった。特に好きなのは真田幸村だ。「主君に対する忠誠心と信念を曲げないところ。それでいて義理人情に厚い。生き様が好きです」。時間があれば、博物館や史跡に出掛ける。「自分がもしその場にいたらどうするだろうと考えてみます」。一つの出来事を知ると、そこから枝葉が分かれるように様々な出来事につながっていく。いろんな角度から史実を眺めるのも面白い。

人が器を作る

自らを営業向きと分析する。「知らない人と会うのも楽しいし、何でもポジティブに捉えるんです。特技と言えるかもしれません」。入社当時、先輩が「器が人を作るんじゃなくて、人が器を作る。人が会社を育てていくんだよ」と教えてくれた。それが中島さんの主体的な行動を促しているという。正しいと思ったことはリスクを恐れずにやる。管理職になってからは、先輩に教わったことを部下に伝えている。

長く携わってきた営業の仕事の中でも印象的なのは、営業推進本部でレベニューマネジメントを担当したことだ。チケットの価格をいくらに設定すると、収入が最大化できるかを考える部署だ。過去2年間のデータを分析してシステムがはじき出した数値を、他社の動向をにらみながら修正していく。当時の上司が、現在社長を務める平子裕志さんだった。「準備をした者が最後に勝つんだ」とよく言われた。

「国内路線の統括を担当した5年間にリーマンショックや東日本大震災などが起こり、予測通りにいかないことが多かった。チケットの価格は会社の売上に大きく影響する、ひいては社員の生活が懸かっているという責任感もありました」

持続的な観光需要を

利益を追いすぎないことを心掛けている。信条は「地域や人のためになることをやっていれば、おのずと結果はついてくる」

人口減少社会の中で、どうやって海外から香川に来てもらうかを考える。「海外支店を通じて香川の良さを発信し、羽田・成田経由で来てもらう。お遍路や歌舞伎など他の地域と差別化できている素材がたくさんあります。息の長い観光需要を生み出すお手伝いをするのが、航空会社の役割です」。人から情報を聞いて、メジャーな観光スポットではないところにも時間を見つけて出掛けていく。

「あとは、小豆島にサテライトオフィスを作れたら面白い。島で海を眺めながら仕事をしたら、どんなにいいアイデアが浮かぶだろうって思います」

鎌田 佳子

中島 浩 | なかじま ひろし

略歴
1968年 千葉県生まれ
1986年 千葉市立稲毛高校 卒業
1990年 明治大学政治経済学部 卒業
    全日本空輸株式会社 入社
2002年 福岡支店販売計画部 販促マネジャー
2007年 営業推進本部レベニューマネジメント部 主席部員
2012年 大阪支店第一販売部 販売リーダー
2015年 東京本店法人販売部 法人企画課長
2017年 高松支店長

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ