香川は件数、負債総額ともに増加

2018年度四国地区企業倒産状況 東京商工リサーチ

Research

2019.05.02

【特徴】①件数は前年度比17件の増だったが、4年連続200件割れ
    ②負債総額は大型倒産の減少を主因として前年度比41億3,800万円減
    ③香川は件数、負債総額ともに増加
    ④販売不振が101件で最多、「不況型倒産」は132件、構成比78.6%

2018年度の四国地区企業倒産状況(負債総額1,000万円以上、内整理を含む)は、件数168件、負債総額303億5,000万円。件数は前年度比17件増だったが、4年連続200件割れの低水準。負債総額は過去10年との比較で9番目と低額だった。

大型倒産で一進一退

香川は、件数55件で前年度比17件増(44.7%増)、負債総額は101億5,700万円で前年度比6,400万円増(0.6%増)だった。過去10年の比較で、件数、負債総額とも6番目と低水準だった。

愛媛は、件数45件、負債総額86億5,400万円。高知は、件数35件、負債総額68億4,100万円。徳島は、件数33件、負債総額46億9,800万円。四国合計の負債総額は大型倒産の発生によって左右され一進一退を辿っているが、負債額の小規模倒産が増加している為、件数では2年連続で増加している。

不況型倒産が約8割

原因別では、販売不振が101件で最多。以下、既往のシワ寄せ、過小資本、他社倒産の余波と続いた。「不況型倒産」は132件、構成比78.6%だった。販売不振が全体の60.1%を占めており、また、不況型倒産の構成比も高水準で定着、引き続き中小企業の経営環境は厳しい様相が垣間見える。

全産業で倒産発生

全10産業で倒産が発生した。サービス業他が58件で最多。以下、製造業、小売業が各26件、建設業22件、卸売業21件、運輸業7件、不動産業、情報通信業が各3件、農・林・漁・鉱業、金融・保険業が各1件だった。

人手不足や販売不振の影響を受けてサービス業他の件数が大きく増加した点が件数増の主因。しかし、製造業、卸売業での前年度の大型倒産の反動や、全般において倒産の小型化もあって負債総額は減少した。
後継者難、業績不振など先行きの厳しい企業には苦渋の選択が待ち受けている。経営者の高齢化や事業承継の遅れもあり、中小・零細企業が収益力や生産性向上を実現することは容易ではない。今後とも企業倒産が急増する要因は見当たらないが、人手不足などに対応できない中小・零細企業を中心に企業倒産は緩やかな増勢に転じる可能性が高まっている。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花正伸

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