「セールスエンジニア」で食の安全・安心を届ける

ハマダフードシステム 社長 蓮井 真人さん

Interview

2023.12.21

ハマダフードシステム本社のエントランス=高松市松並町

ハマダフードシステム本社のエントランス=高松市松並町

“食”を支える「食品加工資材」

4年前に完成した新社屋。従業員が手入れしている花壇は緑が鮮やかで、エントランスでは心地良いジャズが流れる。木をふんだんに使った天井の高いオフィスはまるでカフェのようだ。「やはり従業員には、リラックスして気持ち良く働いてもらいたいですからね」。社屋が新しくなってから「会社の雰囲気が良くなり、従業員の表情が明るくなった気がするんです」。蓮井真人さん(45)はうれしそうに話す。

ハマダフードシステムは「食品加工資材」の卸会社。食品添加物、デンプンや調味料など、様々な種類の食品加工資材を原材料メーカーから仕入れ、食品が「よりおいしく、より安全に」消費者のもとへ届くよう、調味料や品質改良剤として食品加工メーカーへ卸している。「おいしさを提供するのはもちろん、エビをぷりぷりの食感にしたり、かまぼこに天然素材の着色料で色をつけたり……『食品加工資材』は、『食』のあらゆるシーンで欠かせません。私たちはB to B企業なので、消費者に直接商品を届けることはありませんが、“毎日がおいしい。毎日が健康。”をモットーに、安全で安心な食を縁の下で支えていると自負しています」
木をふんだんに使ったカフェ風のオフィス =ハマダフードシステム本社

木をふんだんに使ったカフェ風のオフィス
=ハマダフードシステム本社

ハマダフードシステム最大の強みは「セールスエンジニア」にある。営業担当者は農学部卒など理系出身者が多く、配属されると研修で技術的な知識をしっかり学び、先輩のマンツーマン指導で営業の進め方を身につける。「我が社の営業マンは、『この食品加工資材を使えば、この成分がキーになり、この部分にこう効いて、食品にこんなメリットが出る』とメーカーと対等か、それ以上のレベルでセールストークができます」

取引先との勉強会も定期的に行い、「仕入れ先から『この商品を使ってほしい』と要望を受けたり、販売先に新商品を提案したり。強固な信頼関係も築けていると思います」。取引先は大手食品加工メーカーをはじめ、中四国を中心に500社以上。“技術営業”を武器に、中四国一の業界シェアを誇っている。

「実力が無いと継がせない」

家業を継ぐつもりは無く、大学卒業後は運送会社に就職した。だが、ほぼ家族経営だった会社を成長させた父の姿を見て「この会社で働きたいという思いが次第に膨らんできたんです」

父は厳しい経営者だった。「戻った時に言われました。『実力が無いと継がせない』と」。朝から晩まで配送し、営業し、「とにかく何でもやりました」。そして、創業50周年を迎えた2020年、こう告げられた。

「切りが良いから代替わりするか」

入社から17年後のことだった。「うれしかったですね。やっと認めてもらえたという気がしました」

忘れられない父との記憶がある。東京営業所で勤務していた11年、東日本大震災で物流が完全にストップした。「材料メーカーから資材が全く入らなくなり、販売先の食品加工メーカーからは『モノが入らないと工場が止まる。何とかしてほしい』と」。すると、父がトラックを借りて上京してきた。

「直接、材料工場に行こう」

2人で大手材料メーカーを訪ねた。倉庫はぐちゃぐちゃだった。だが、助かっている商品を見つけ出し、買い取って加工メーカーへ届けた。「毎日毎日深夜まで……3カ月ぐらい続けました。もうヘトヘトです。でもお客さんは『助かった』『よくやってくれた』と本当に喜んでくれました」

父と訪ねた材料工場に、競合している他社の姿は無かった。「実際に現場を見る大切さを痛感しました。モノをお客さんに届けるのが私たちの仕事。『自分の目で見る』、そして『可能性が少しでもあるのなら、どんなことでもやってみる』。この経験で、多少のことでは動じなくなりましたね」。蓮井さんはしみじみと振り返る。

ボトムアップを前面に

従業員が手入れしている花壇

従業員が手入れしている花壇

「やはり従業員ですね」

こう何度も繰り返す。ハマダフードシステムは福利厚生が充実しているのも特徴の一つだ。ゴルフ部や釣り同好会など社内活動も活発。「有給休暇の消化率も高いんですよ」と蓮井さんは胸を張る。

父も従業員を大切にしていた。

だが、「以前は従業員の数も少なかったので、どうしてもトップダウンは否めなかった。でも今後は、従業員が自分たちで考えて行動し、どんどんチャレンジできる環境にしたい。ボトムアップを前面に押し出していこうと思っています」
従業員に「長く勤めて良かった」と思ってもらえる会社にしたい

従業員に「長く勤めて良かった」と思ってもらえる会社にしたい

コロナ禍、原材料費の高騰……苦しい時期が続いたが、新規顧客の獲得や既存商品の切り替えなど、社内で一丸となって踏ん張ってきた。

「新社屋を建てた頃からコツコツ取り組んできた自社製品の開発が実を結びつつある」と蓮井さんは力を込める。

そして、迎える新たな年 ――

「目指すのは、従業員に『長く勤めて良かった』と思ってもらえる会社。来年も食品のおいしさと、安全・安心を追求していきます」

篠原 正樹

蓮井 真人 | はすい まさと

略歴
1978年 高松市出身
1997年 高松工芸高校 卒業
     大学卒業後、運送会社勤務を経て
2003年 株式会社ハマダフードシステム 入社
2020年 代表取締役社長

株式会社ハマダフードシステム

住所
香川県高松市松並町608-1
代表電話番号
0878650001
設立
1970年5月1日
社員数
32人
事業内容
食品加工技術の開発、研究、技術指導及び食品加工関連資材の販売
食品加工に必要な調味加工資材の委託製造及び自社開発商品の製造 他
事業所
東京営業所、徳島営業所、愛媛事務所、小豆島倉庫
関連会社
有限会社シーバイオン
海外拠点
チハマフードグループ(タイ)
地図
URL
http://hamadafs.co.jp/
確認日
2023.12.21

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