「あっ、これ!」と心が動いたときに記憶する。風景も、言葉も。

住友金属工業 四国支社長 髙取 和彦さん

Interview

2009.11.19

カメラは、住友金属工業株式会社四国支社長の髙取和彦さんの身近にいつもある。

カメラ暦は小学生時代から

カメラとの付き合いは、小学校3年生のころ、プロを目指していた叔父から簡単なカメラをもらったことに始まる。「おもちゃみたいなカメラでしたね。その後は親父のオリンパスを使わせてもらい、高校3年のときにキャノンの一眼レフを購入しました」。最近はもっぱらデジタルのコンパクトカメラを愛用している。

髙取さんの撮影スタイルは「いいなと思ったときに撮る」というもの。被写体を探し出して撮るのではなく、心が動いたとき、その場面を切り取るように写す。「普通のスナップ写真ですよ」と笑うが、写真データには、心に響いた数多くの瞬間が残されている。

青春時代を閉じ込めた1冊

これまで多くの場面を写真で残してきた髙取さん。その中でも記念的なものが、大学時代の卒業アルバムだ。「当時、学生が作る卒業アルバムとしては、日本一といわれていたものなんです」と髙取さんが語るとおり、「KEIO1976~80」と題された1冊は、厚さ約5センチ、600ページを誇る堂々としたものだ。「僕を始め、37人の学生からなる卒業アルバム委員会が制作したもので、約1年かかりました」。ゼミの風景や、運動部や文化部の活動、大学祭などの写真が掲載され、生き生きとした空気が伝わる。写真は、委員会のスタッフが手分けして1枚1枚撮影したもの。「全学部が対象ですから、被写体の数は多い。1人に対して3、4枚は撮りましたね。一番いい表情を載せたいと、全部で千枚くらいは写したかな。教授陣から学生まで1人ももれないように何度も何度も確認するなど、大変な作業でした」。スタッフ全員が協力した卒業アルバム制作。チームワークや、計画に沿ってものごとを進めることの大切さ、難しさなどを経験する貴重な機会になったという。「このときの仲間とは今も交流があるんですよ」。かけがえのない青春の日々がそこには詰まっている。

記録することの楽しさ

心が動くのは、風景ばかりではない。書物の中の一節に気持ちが揺れることもある。「あ、いいなと思った言葉は、結果的に仕事ではもちろん、生活の面でも役立つことが多いですね」。カメラと一緒に行動を共にする小型情報管理ツールのザウルスに記録する。「住友の事業精神を始め、海軍兵学校五省や後藤田五訓。山本五十六に、漫画家ジョージ秋山、NYヤンキーズの松井秀喜選手、タレントのルー大柴まで、気になった言葉を書き留めています。皆さんけっこういいこと言ってるんですよ」と髙取さん。

感じたり、発見したりしたことは、景色も言葉も記録し残していく。「何かの為にではなくて、気楽にやっていること。好奇心が強いからかな? 写真も言葉も楽しんで残しています」

※ 実はビジネス香川1Pのコラム「香川再発見」の3回目(11月5日号)の写真も髙取さんの撮影でした。

髙取 和彦 | たかとり かずひこ

略歴
1957年 5月 北海道赤平市生まれ
1980年 3月 慶應義塾大学法学部政治学科 卒業
1980年 4月 住友金属工業入社
2003年10月 同社東京プロジェクト開発部次長
2006年 7月 同社名古屋支社次長
2009年 7月 同社四国支社長
写真
髙取 和彦 | たかとり かずひこ

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