技術も、社会も、自分で考える力を
参院選へ、高校生が言葉で投じた一票

香川高等専門学校詫間キャンパス

Interview

2025.08.07

技術者の卵たちが集う香川高専詫間キャンパスでは、専門的な知識や技能の習得と並行して、社会や政治への関心を育む学びにも力を入れている。2年生を対象とした「社会Ⅱ」の授業では、県選挙管理委員会や地元税務署と連携し、模擬投票や出前授業などを通じて、投票行動への意識づけを図っている。

今年度は、第27回参議院議員通常選挙にあわせて県が募集した啓発キャッチコピーに、2年生全員124人が応募。県内外から寄せられた617点の中から、白石桃子さん(16)の「希望を形に、選ぼう未来」が最優秀賞(統一標語)に選ばれた。また、世古ひとみさん(17)の「あなたの願い 選挙で伝えて 実現へ」、左子咲羽さん(16)の「参加しよう。未来はみんなのものだから。」の2作品も優秀賞を受賞した。

若年層の投票率低下が課題となる中、18歳を目前にした学生たちが「若い世代に響く言葉とは何か」を真剣に考えた。課題は宿題として与えられたが、学生たちはSNSや動画などを通じて自主的に調べ、表現の工夫を重ねた。

白石さんは「最初は適当に考えていたけれど、調べる中でSNS上の誹謗中傷を見て“本当に投票している人が言っているのか”と疑問に思った」と振り返る。母親と普段から社会問題について話すことが多いという世古さんも、「意見を言うなら、まず投票に行くことが大切だと感じた」と語った。

白石さんの作品は、AIを使ってヒントを得たキーワード「希望」「未来」をもとに、言葉を練り直し完成させたもの。「表彰式では、選挙管理委員会の人たちと接して、選挙の堅苦しいイメージが変わった。少しハードルが下がった気がする」と笑顔を見せる。

田村昌己講師は「学生たちは自分なりに考え、調べ、言葉を選んでくれた。社会に出てからも必要な『主体的に考える力』が育っていると感じた」と語る。選挙権を得る年齢が迫るなか、学生たちは未来を自らの手で選び取る意識を高めている。

香川高等専門学校

住所
香川県高松市勅使町355
代表電話番号
087-869-3811
設立
昭和18年
キャンパス
高松キャンパス
〒761-8058 香川県高松市勅使町355 TEL087-869-3811/FAX087-869-3819

詫間キャンパス
〒769-1192 香川県三豊市詫間町香田551 TEL0875-83-8506/FAX0875-83-6389
地図
URL
https://www.kagawa-nct.ac.jp/
確認日
2024.03.07

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