生徒の「やってみたい」が地域とつながる
進化するボランティア団体「TSUNAGU」

大手前丸亀中学・高等学校

Interview

2025.08.21

ボランティア団体「TSUNAGU」は、5年前に36人に発足し、現在は中学1年~高校3年の計191人が所属するまでに成長した。任意参加ながら、生徒たちのアイデアから次々と新たな活動が生まれ、共感の輪が広がっている。

活動は、ごみ拾い「えころとんぐ。」から始まり、不要な食品や文房具を回収して寄付する「TO-GATHER」、環境啓発を目的としたオリジナル紙芝居の読み聞かせ「おおてまえほんの会」、地元の食材や商品を掘り起こして紹介・販売する「まるCafe」などへと広がった。いずれも「やってみたい」という思いから生まれ、生徒が主体的に企画・運営しているのが特徴だ。

活動が地元企業や自治体の目に留まり、新たな展開も。例えば、卒業生を通じて「中津万象園の松葉を敷いて育てたレモンの認知度を高めたい」という相談を受け、生徒たちがPR方法を考案。市や和菓子店と連携し、レモンを使ったオリジナル和菓子をデザインして商品化した。

また、ブース出展した県のイベントで声をかけられ、県などが主催する「令和6年度 学校CO2CO2削減コンテスト」に応募、優秀賞を受賞した。書類作成を通して自らの活動を振り返り、次の目標を描く機会にもなったという。

こうした地域との関わりのなかで、生徒たちはさまざまな価値観や社会の仕組みに触れ、視野を広げている。中には、進路を見直し、地域づくりや行政に関わる仕事を志すようになった生徒もいる。

また、活動を学校ホームページなどで発信することも大切な学びのひとつ。情報の整理や伝え方を工夫することで、自分たちの思いや活動の意義を、より多くの人に伝える力を養っている。

副会長を務める高2の後藤琉碧さん(17)は「個人ではできない体験ができる」と語り、高1の小倉陽香里さん(16)は「地元の環境を少しでも良くできるのは気持ちいい」と笑顔を見せる。

担当教員は「生徒が自分の才能や関心に気づき、将来の選択肢を広げるきっかけになれば」と話す。合言葉は「思いをカタチに」。その言葉のとおり、生徒たちは地域とともに、自分たちの未来を描いている。

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