
活動は、ごみ拾い「えころとんぐ。」から始まり、不要な食品や文房具を回収して寄付する「TO-GATHER」、環境啓発を目的としたオリジナル紙芝居の読み聞かせ「おおてまえほんの会」、地元の食材や商品を掘り起こして紹介・販売する「まるCafe」などへと広がった。いずれも「やってみたい」という思いから生まれ、生徒が主体的に企画・運営しているのが特徴だ。
活動が地元企業や自治体の目に留まり、新たな展開も。例えば、卒業生を通じて「中津万象園の松葉を敷いて育てたレモンの認知度を高めたい」という相談を受け、生徒たちがPR方法を考案。市や和菓子店と連携し、レモンを使ったオリジナル和菓子をデザインして商品化した。
また、ブース出展した県のイベントで声をかけられ、県などが主催する「令和6年度 学校CO2CO2削減コンテスト」に応募、優秀賞を受賞した。書類作成を通して自らの活動を振り返り、次の目標を描く機会にもなったという。
こうした地域との関わりのなかで、生徒たちはさまざまな価値観や社会の仕組みに触れ、視野を広げている。中には、進路を見直し、地域づくりや行政に関わる仕事を志すようになった生徒もいる。
また、活動を学校ホームページなどで発信することも大切な学びのひとつ。情報の整理や伝え方を工夫することで、自分たちの思いや活動の意義を、より多くの人に伝える力を養っている。
副会長を務める高2の後藤琉碧さん(17)は「個人ではできない体験ができる」と語り、高1の小倉陽香里さん(16)は「地元の環境を少しでも良くできるのは気持ちいい」と笑顔を見せる。
担当教員は「生徒が自分の才能や関心に気づき、将来の選択肢を広げるきっかけになれば」と話す。合言葉は「思いをカタチに」。その言葉のとおり、生徒たちは地域とともに、自分たちの未来を描いている。

おすすめ記事
-
2025.08.07
技術も、社会も、自分で考える力を
参院選へ、高校生が言葉で投じた一票香川高等専門学校詫間キャンパス
-
2025.02.20
メタ観光で魅力を再発見
デジタルを活用した地域探究坂出第一高校
-
2024.12.19
ワイナリーとコラボで農業の課題解決
規格外果実を有効活用したワインをシリーズ化農業経営高校
-
2024.08.15
保育や福祉に役立つコミュ力向上へ
「高校生が教えるスマホサロン」琴平高校
-
2024.06.06
エシカルフードで地産外商
産学連携で瀬戸内スイーツブランドを坂出第一高校
-
2024.01.04
杉原千畝・幸子氏から広がる人道の輪~高校生同士の交流が世界へと繋がる~「人道教育プログラム」
高松高校
-
2023.10.05
好きな音楽を生かせる、幅広い進路があることを知ってほしい「説明会・体験レッスン」
坂出高校音楽科
-
2023.06.15
総合的な探究の時間「寒川カルチャー」
藤井学園寒川高校
-
2023.02.16
舞台での成功が自信につながる
尽誠学園高校
-
2022.09.15
自作の“船”に思いをのせて
多度津高校
-
2022.09.15
競技大会を目指して 課題を乗り越えるおもしろさを知る
高松工芸高校
最新紙面情報
Vol.412 2025年08月21日号
「ここに来て良かった」 生徒一人一人に寄り添って
学校法人村上学園 理事長 村上学園高等学校 校長 村上 太さん
モニタリングの知見を生かし 地域と「顔の見える対話」を
日本銀行 高松支店長 稲村 保成さん
諸機関と柔軟に連携し 四国の中小企業に寄り添う
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 四国本部長 田中 学さん
まち全体を一つの「宿」に見立て 古民家を核に日常風景の魅力を発信
NIO YOSUGA 代表取締役 竹内 哲也さん/菅組 社長 菅 徹夫さん
生徒の「やってみたい」が地域とつながる 進化するボランティア団体「TSUNAGU」
大手前丸亀中学・高等学校