保育や福祉に役立つコミュ力向上へ
「高校生が教えるスマホサロン」

琴平高校人文コース保育・福祉系で学ぶ生徒が、琴平町企画防災課が主催するスマホサロン「もしもし」に協力している。授業「生活と福祉」の一環で取り組む校外学習。身近なスマートフォンを通して地域の人と交流し、高齢者など幅広い年代と接する経験を積んでいる。

同サロンは、町内の加盟店舗で利用できる電子地域通貨「KOTOCA（コトカ）」アプリの利用促進や、デジタル・デバイド（情報格差）解消に向けた取り組みとして、昨年度から月に2回開催している。事前にポスターや広報誌などで告知し、住民がスマートフォンの使い方や悩みの相談に訪れる。その多くが高齢者となっているそうだ。

協力しているのは、同コースで保育や福祉の分野へ進学を希望する3年生。授業では、各種施設への訪問、体験なども行い、より現実的な仕事への理解を深め、コミュニケーション能力をはぐくんでいる。その一環で、自分たちが得意なスマートフォンを活用し、地域貢献しながら学びを深める取り組み。１月に初めて協力し、住民から「若い人と話せて良かった」「使い方を知ることができたので、生活に張りが出る」などと好評を得られたそうだ。

本年度は2回の実施が決定。その初回が7月10日、同町総合センター大ホールであり、3年生17人が参加した。あいにくの雨模様で来場者は少なかったものの、その分一人一人に時間をかけてじっくりと対応できたそうだ。「音楽はどうやったら聞けるの？」「写真の撮り方と見方が分からない」など、それぞれの悩みに丁寧に答え、操作方法などを確認。特に、「キャッシュレス決済を使ってみたい」という要望に対しては、サロンで説明し、終了後コンビニエンスストアで実践し、大変喜ばれたという。

2回目は10月に予定。初回を踏まえて、「どう説明したら分かりやすいか」など生徒が自発的に検討中。実際の町づくりの一端を担うことで、達成感を得られ、実践的なスキルアップにつながっている。