毎回違うから面白い!
オーダーメイドで磨く設計力

四変テック

Tec✕Tec

2025.11.20

四国で唯一の変圧器メーカーとして約80年の歴史を持つ四変テック。変圧器や配電盤を扱う電力機器部門のほかに「電子機器」「精密金型」「給湯機」の各部門があり、工場へ電気を安全に供給する受配電設備、事務機器などに不可欠な電源装置、「ユノエース」ブランドの電気給湯機など、産業活動の最前線から日常生活まで様々なシーンで「電力」を安定して使える社会を支えている。

変圧器は、発電所で作られた超高圧の電気を、一般家庭や工場・店舗などの場所や用途に応じて適切な電圧に変換する装置。身近なところでは、電柱に取りつけてあるバケツのような形の「柱上変圧器」などが代表格。私たちが当たり前のように使っている電化製品も、変圧器がなければ動かない。電圧を下げる際に発生する熱を冷ます方法として、空気を冷媒とする「乾式」と絶縁油を冷媒とする「油入」に大きく分けられ、さらに冷却方法によっていくつか種類がある。どのタイプの変圧器をどんな形に仕上げるかは設置場所や条件によって異なるため、一品一様のオーダーメイドで対応。電力会社向けの量産品もあれば、一般企業向けに1台から対応することもある。

設計のプロセスは自由度が高く、技術者の数だけアイデアがある。そこから品質・つくりやすさ・コストなどを吟味して一つの形にまとめ上げていく中で、技術者たちは自然とバランスのいいものづくり感覚と、広い視野で物事を考える力を身につけている。オーダーメイドならではの刺激に満ちた毎日が、技術者の成長を支える。

現在担当している業務は。

電力機器本部 変圧器事業部 技術部 産業技術一課 小林優斗さん(香川高専高松出身)

電力機器本部 変圧器事業部 技術部 産業技術一課
小林優斗さん(香川高専高松出身)

小林 当社の会社説明会で「変圧器」が意外と身近なものだと初めて知り、興味を引かれました。私たちが所属する産業技術一課は、変圧器の性能を左右する電気設計を担当する部署で、私は乾式変圧器の設計を担当しています。オーダーメイドだからこそ、自分のアイデアをいろいろ試せるところが面白い。
電力機器本部 変圧器事業部 技術部 産業技術一課 榎本 匠さん(善通寺第一高校出身)

電力機器本部 変圧器事業部 技術部 産業技術一課
榎本 匠さん(善通寺第一高校出身)

榎本 就職活動では一から技術を身に付けられる教育体制と、中学から続けている陸上競技の時間が取れる環境を重視しました。主に油入式変圧器の設計担当ですが、電気のことは直流・交流くらいしかわからないレベルからスタートして、仕事の流れがつかめたのは約半年後。経験が少ない状態で実際の製品を設計する時のプレッシャーは大きかったものの、先輩方の丁寧な指導とやりがいに支えられました。今はある程度任せてもらえるようになり、友人たちにも「こういうものを作っている」と胸を張れる仕事です。

瀬尾 私は大学で化学を学んでいましたが、就職活動ではインフラ・電力系の安定感を重視し、のびのびした社風に引かれて当社を選びました。1台の変圧器を電気設計と構造設計の2人体制でつくるのが基本で、「ここは必ず守るように」というポイントさえ押さえていれば後は自由ですから、設計者が個性を発揮しやすい環境です。設計経験を重ねると他部門と連携する機会が増えて、自然と他工程の事情も見えるようになりました。それを踏まえて全工程の工数を検討し、適正な見積りを出すのが私の今の仕事です。

今後、力を入れていきたいことは。

電力機器本部 変圧器事業部 技術部 産業技術一課 瀬尾雄介さん(坂出高校出身)

電力機器本部 変圧器事業部 技術部 産業技術一課
瀬尾雄介さん(坂出高校出身)

榎本 以前作ったものと形が似ていても、目的や意図が違えば同じようにはつくれません。まさに油断大敵、一品一様の難しくも面白いところです。高い素材を使えばつくりやすいけれど、会社の利益を考えるとコストダウンも重要で、バランスのいい設計力を追求したいです。

小林 設計担当になって5年、まだまだ知識不足を感じます。油入もできるようになれば大きなレベルアップになるでしょうが、まずは乾式を究めたいと思っています。

瀬尾 当社の設計者は全国・海外の現場に赴いて設置場所の条件を確認したり詳しい仕様を相談したりといった顧客対応も多く、技術営業的な面もあります。いいものをつくろうとするあまり、時間がかかってもいけません。私からみると、二人ともお客様へのレスポンスの早さが際立っていると思います。

榎本 宿題の提出期限を守るのと同じで、瀬尾さんのように期日より早く納める姿勢が信用につながると学んだので、自身の仕事のあり方にも反映させていきたいです。


変圧器

発電所から送られる交流電源を、大規模工場・ビル、中規模工場、小工場、住宅などそれぞれの必要に応じた電圧に変換する機器。入力側の1次コイルに電流が流れると出力側の2次コイルに電圧が発生し、1次コイルより2次コイルの巻き数を多くすれば電圧が上がり、少なくすれば電圧は下がる。変圧器は電力会社の配電用のほか、電圧の異なる海外で日本の電化製品を使うための旅行用変圧器など、様々な場所で使われている。

記事一覧

おすすめ記事

関連タグ

メールマガジン登録
債務整理のとびら 離婚のカタチ 交通事故の羅針盤 メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ