グループ一貫の加工を支える
板金のスペシャリストたち

竜王金属

Tec✕Tec

2025.11.18

左:本社板金 係長 氏家 仁さん(坂出工業高校出身) 右:本社板金 川部智功さん(坂出商業高校出身)

左:本社板金 係長 氏家 仁さん(坂出工業高校出身)
右:本社板金 川部智功さん(坂出商業高校出身)

四国塗装工業の板金部門が独立する形から始まり、四国塗装工業の「塗装技術」、春日の「全自動電着塗装ライン」とともに、精度の高い板金技術でグループ一貫のものづくりを支える竜王金属。ほとんどがオーダーメイドのものづくりで、製品の仕様は顧客の要望に合わせて毎回異なる。受配電盤などを収める「筐体(箱)」や工作機械を中心に、用途・形状・素材などが特殊な依頼も多い。

受注後は内容を取りまとめ、計画部門で加工に必要な設計データを作成する。それを加工機械に読み込ませてパーツをつくっていくのが「機械加工」、様々なパーツをパズルのように組み上げて仕上げていくのが「溶接」工程だ。パーツをつくるまでの工程を坂出工場で担い、本社工場では溶接で仕上げる工程と「アングル」と呼ばれるL字型鋼材の加工を担うという分担が確立している。

溶接は、熱を加える時の伝導率次第で素材に「縮み」「ひずみ」が生じる。一度ひずんで小さくなったものは元に戻すことができないため、技術者たちは事前に「どのくらい縮むか」を予測して正確な寸法に仕上げるスキルを磨く。特にステンレスは縮みやすい・鉄より割れやすい性質を持つ加工難易度の高い素材で、JISステンレス鋼溶接技能者の資格を持つ技術者の経験と勘が問われる分野だ。手厚いスキルアップ支援を活用し、板金のスペシャリストを目指す一人ひとりの熱意が、グループ全体のものづくりの精度向上を支えている。

現在担当している業務は。

川部 技術を身に付けたくて運送業からの転職を決めた私を、経験を問わず採用してくれたのが当社でした。1カ月ほど機械加工の指導を受けた後は、先輩に見守られながら少しずつ一人で任されることが増え、現在4年目。平らな鉄板ではなくアングル材と呼ばれるL字型鋼材の加工を担当しつつ、溶接についても学び始めたところです。本社工場の機械加工は、立体的な加工ができるファイバーレーザー加工機を使い、図面から寸法を起こして、穴開けや切断をする昔ながらの工法が中心。溶接は図面の読解力が問われる業務で、経験の浅い私はまだまだ失敗することもありますが、周囲のフォローが手厚いおかげで安心して学べる環境があると感じます。人に恵まれていることをしみじみ噛みしめ、周囲の声には素直に耳を傾けるよう心掛けています。

氏家 私はものづくりが好きで工業高校に進学し、前職も溶接系でした。学生時代から磨いた金属加工の技術をさらに深めたくて、当社に入社。オーダーメイドで様々な製品を手掛けているので、多様な考え方や工法が学べそうだと感じたことと、それを現場で活かせる自由な社風も決め手になりました。入社後は即戦力として、ステンレスなどを扱う特殊な業務を任されています。私が担当する「工作機械」は構造が複雑で、坂出工場つくったパーツをすべて溶接で仕上げていくもの。一方「アングル加工」は機械加工寄りの工程で、お客様から支給された図面通り、正確に仕上げる力が求められます。前職は溶接のみの担当でしたが、今はレーザー加工や曲げ加工などにもかかわることができ、今まで以上に幅広い知識と技術が身についていることを実感する日々です。

今後、力を入れていきたいことは。

川部 機械加工はひと通り身につけて、今は精度を高めていく段階に入ったと感じています。溶接については学び始めたばかりで、まずは一人前になることを最優先に、目の前の仕事に集中して自分にできることを少しずつ増やしたい。溶接に必要な資格「JIS溶接技能者」にはいくつか種類があり、社内で必須とされてはいないものもありますが、ないとできない業務があるため、資格取得支援制度などを活用しながら積極的に挑戦しようと思っています。

氏家 入社して約15年、溶接技術はひと通り身についたと胸を張れるようになり、多種多様な機械の知識も深めることができました。何にでも興味を持ち、気になったら自分でやってみたいタイプなので今後は社内でまだ取り組んでいない分野にも注目し、先頭に立って新しい技術を取り入れていくのが目標です。

◆キーワード


板金加工

金属の板を切断、穴あけ、曲げ、溶接、塗装などの工程で、つくりたい形状に仕上げる加工方法のこと。一定以上の力を加えると力を取り除いても元の形に戻らない塑性変形という金属の性質を利用している。板金加工された部品は、製造現場設備から自動車、家電など様々なところで使われている。少量多品種の生産に向いており、複雑な形状や形状の変更にも柔軟に対応できるという特徴がある。

竜王金属株式会社

住所
香川県丸亀市川西町北1700
代表電話番号
0877-24-6413
設立
昭和62年10月20日
社員数
38名(2024年4月1日)
事業内容
薄板板金加工、各種溶接加工
地図
URL
https://www.shikokutosou.co.jp/
確認日
2024.07.18

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