ものづくりの知識を広く活かす
適材適所の人材育成を強化

アムロン

Tec✕Tec

2025.09.15

「顧客の困りごとを合理化する」サービス・ものづくりを掲げ、鉄鋼製品を中心とする産業資材の卸売から設計・製造、情報通信、人材派遣など、幅広い分野で事業を展開する総合商社。関東圏をはじめ、積極的にグループ企業を増やして営業力を強化しており、全国規模で多分野のものづくりを支えるネットワークを確立しようと取り組んでいる。

同社の技術力が特に光るのが、建設機械メーカーのパーツ製造を主に手掛ける機械分野だ。引っ張る力が加わった時の強度が高い「高張力鋼」を主素材に、クレーン車のブーム(長く伸びる部分)やショベルカーのシャーシ(車体を支える骨格)をはじめ重要な役割を担うパーツが多く、形も機能も多岐にわたる。

厚板加工を手掛けるテクノ高松・多度津、薄板加工のテクノ香川など県内に複数の製造拠点を展開し、各拠点が連携して「図面起こし」「加工データ作成」「切断」「曲げ・溶接」「塗装」といった工程をほぼ社内一貫で行う。厚さは様々、1枚1枚の状態も均一ではない素材の性質を見極めながら、高水準の加工を守り続ける技術者集団だ。国内有数のレーザー切断機や大型プレスをはじめとする充実した設備力が、精度の高い加工を支えている。

もともと「現場一筋でスキルを磨きたい」「マネジメント側で力を発揮したい」など一人ひとりの思いに応える社風があるが、近年は一歩進んで「現場から営業職へ」といった職種転換を通じてスキルの幅を広げているケースも。事業分野の広さを生かし、意欲に応じて適材適所の柔軟なキャリアを築ける環境づくりが進んでいる。

現在担当している業務は。

宮脇 加工に関するより深い知識を得るために、厚い素材を扱うテクノ高松から、薄い素材や複雑な加工を手掛けるテクノ香川への異動を経て、今年本社営業部に配属となりました。ずっと現場一筋で営業職は初めてですが、コミュニケーションに苦手意識はありません。本社営業部は建築土木分野、機械建機分野で課が分かれており、私が担当する課では、大手メーカーのものづくりに欠かせない重要パーツを扱います。お客さまの信頼を守るためにも、製造ペースを先読みした確実な商品調達を心掛けています。

森田 私はずっと生産技術で「板金展開」と「ネスティング」業務を担当しています。お客さまの図面をもとに、「どういう形で板金を切り出し、どう加工すればその形になるか」を考えて加工用データをつくる仕事です。機械の操作はオペレーターが担当しますが、新しい機械が入ったこともあり、私も機械のことを積極的に学ぶようになりました。知識が増えたおかげで、いい状態を長く保って効率的に機械を動かすポイントがわかるようになり、新しい加工方法の提案もできるようになりました。現場を知ったからこそ気づけたことです。

今後、力を入れていきたいことは。

宮脇 製造現場と営業どちらの仕事にも精通した「技術営業」の存在価値は大きく、私ならできると評価してもらえているなら嬉しいですね。今はまだ慣れるのに精いっぱいですが、お客さまからの発注に対して自分から「こうした方がいいのでは」と提案できる、生産技術目線の営業を目指したい。「適材適所」の先進例として、社内のロールモデルとなれるよう、期待に応えたいと思っています。

森田 複雑な加工ができる・製品に傷がつきにくいなど、機械の性能もどんどん向上していますから、設備更新に合わせて提案もブラッシュアップしたい。テクノ香川は「同じものを高精度で効率よく作る」ことに強い拠点ですが、一点ものを手掛ける時は機械と加工を熟知した人材が必要です。その点で、加工データと機械設備どちらの知識も持っていれば強みを発揮できそう。社内の各部門とお客さまの橋渡し役として、コミュニケーションを担えるようになるのが目標です。

◆キーワード


シナジー

複数のものがお互いに作用し合って機能や効果が高まること。企業内だけではなく、企業の業務提携、グループ会社を増やす、M&Aなどを通じ、単独で行うよりも価値が高まることを指す。生産を行うための情報や設備、技術を補い合うことで生産性アップやコスト削減が図れるのは生産シナジー。ほかに、流通経路や販売組織などを共有する販売シナジーや、研究開発を共同で行う投資シナジーなどがある。

株式会社アムロン

住所
香川県高松市末広町7-21
代表電話番号
087-851-1551
社員数
220名(グループ290名)
事業内容
鉄鋼・鉄鋼関連製品の販売・加工・施工、土壌・水質汚染対策・有害廃棄物再資源化などの環境事業、プラント環境整備・効率化の企画提案、仕事・人財探しなどの支援事業
資本金
1億円
沿革
1948年 香川鋼材産業有限会社 創立(2年後 株式会社に改組)
1963年 徳島支店 開設
1967年 松山支店 開設
     現テクノ高松 設立
1970年 高知支店 開設
1974年 非鉄部門として株式会社セキゼン 設立
1987年 現テクノ香川 設立
1988年 株式会社アムロンに社名変更
1991年 株式会社イノベイト 設立
1993年 現テクノ多度津工場 竣工
1996年 環境事業部工場 竣工
2000年 環境マネジメントシステムISO14001の認証取得
2001年 株式会社セキゼン エコ事業部 設立
2010年 品質マネジメントシステムISO9001の認証取得
2017年 地域未来牽引企業(経済産業省)に選定
2018年 環境事業分野において第25回芦原科学大賞を受賞
2019年 有限会社山口工作所の全株式取得
2021年 労働者派遣・有料職業紹介事業許可取得
2022年 香川県環境配慮モデル事業所に認定
     米子営業所 開設
     大八工業株式会社の全株式取得
2023年 関東営業所 開設
地図
URL
http://www.amron.co.jp/
確認日
2023.12.21

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