大型加工も可能な設備を活かす
職人たちの技と挑戦

アムロン

Tec✕Tec

2023.11.27

鉄鋼製品を中心とする産業資材の卸売から設計・製造、施工、人材派遣、情報通信まで幅広く手掛ける総合商社。「顧客の現場を合理化する」ためのサービスを提供し、ものづくりに関わる企業、人をあらゆる面から支えている。

特に事業の中核となる鉄鋼分野では、建機メーカーのパーツ製造を手掛けている。国内有数のレーザー切断機や大型プレスをはじめとする充実した設備力を活かし、クレーン車のブーム(長く伸びる部分)やフレーム(車体の骨格)など重要な部分の製造を担っている。また、橋梁分野に携わることもあり、関西国際空港連絡橋の復旧事業を手掛けた実績もある。

製造の現場を担うテクノグループのうち、大型鋼構造物を手掛けるのはテクノ多度津とテクノ高松の2拠点。顧客の要望をテクノ高松の生産技術課で図面に起こし、テクノ多度津の管理課で加工データを作成してレーザーで切断したのち、再びテクノ高松で曲げ・溶接などの後加工をして出荷するまでが主な流れ。扱う材料は主に引っ張る力が加わった時の強度が高い「高張力鋼」で、厚さは1.6~50mmと幅広く、薄いもの・厚いものそれぞれ加工の難しさがある上に、状態がすべて均一ではない。現場で1枚1枚性質を見極めながら加工を進めていくのは、まさに職人技の世界といえる。

こうした高水準のものづくりの現場を支える技術者たちは、現場一筋でスキルを磨いたり、マネジメント側で力を発揮したり、自身のビジョンに基づいて多彩なキャリアを実現している。事業分野が広いこともあり、一人ひとりのやりたいことを応援する社風のもとで自分らしい未来図が描ける環境が特徴だ。

現在の業務と、成長を感じる点は?

【テクノ高松・Mさん(以下、M)】生産技術課の仕事は、主に二つ。加工に必要な展開図をつくることと、工場内の改善活動です。クオリティと効率をより高めるために、製造現場と連携して治具を自社で製作することもあります。お客様との技術的な窓口を担うほか、加工側から「ここはミスが出やすいから改善した方がいい」という提案を受けるなど、社内外どちらとも密なコミュニケーションをとる立場です。

私は商業高校卒で、加工の専門的な知識もないところからスタートしています。今のスキルは先輩方の丁寧な指導の賜物です。

【テクノ多度津・Kさん(以下、K)】私は機械科出身ですが、やはり入社してから身につけた知識やスキルの方が多いですね。

テクノ多度津の作業は、材料の切断から始まります。工場の強みは、専用の船着き場があって船で運んできた材料を加工場へ直接搬入できる効率のいい動線と、最先端のファイバーレーザー切断機や3,000トンプレスなど充実した設備力。原料のクセを見極めて「どの機械でどの板を切るか」「厚い板を何回で曲げるか」といった細かい調整を繰り返し、日々、品質と生産性向上を目指して最適なオペレーションを追求しています。

今後の展望は?

【M】自分のやりたいことを追求できるのが当社のいいところで、「自分が将来どうなりたいか」を前提に、いろんなキャリアが描ける可能性に満ちていると思います。

私自身は、「あの人に任せておけば大丈夫」と信頼される技術者になりたい。私を指導してくれた先輩がそういう人でした。自動化や省力化も含め、現場目線の改善を進めるとともに、下の世代にノウハウを引き継いでいくのが今の目標です。


【K】技術面では、ファイバーレーザーの知識を深め、他工場との連携や発信をもっとスムーズにするのが当面のテーマです。それ以外では、新入社員が安心して働ける職場づくりをサポートしたい。

機械化については若手の方が馴染みやすい部分もありますから、積極的に力を発揮してほしいですね。とはいえ、機械を使いこなすには人間の技が不可欠です。先輩方の職人技を受け継ぎながら、バランスのいい効率化を進めたいと思います。

高校の時にやっておいた方がいいこと

Kさん
アルバイトや遊びに打ち込んで、あちこち足を運び知らない人と積極的に交流すること!そういうところから人とのかかわり方や社会の仕組みが、少しずつ学べます。

Mさん
野球部に所属していたこともあり、「仕事をしながら野球を続けたい」から始まって今のキャリアがあります。スポーツと同じく目標から逆算して行動するのも選択肢の一つだと思います。

◆キーワード


高張力鋼

金属に引っ張る力を加えた時に壊れるまでにかかる変形や負担の大きさを表す「引張強度」が強い鋼材を高張力鋼という。高張力鋼は薄くても強度が高く、耐食性が高い、さびにくいという特徴があり、強度を保ったまま薄く軽量化できることから自動車などにも使われている。

株式会社アムロン

住所
香川県高松市末広町7-21
代表電話番号
087-851-1551
社員数
220名(グループ290名)
事業内容
鉄鋼・鉄鋼関連製品の販売・加工・施工、土壌・水質汚染対策・有害廃棄物再資源化などの環境事業、プラント環境整備・効率化の企画提案、仕事・人財探しなどの支援事業
資本金
1億円
沿革
1948年 香川鋼材産業有限会社 創立(2年後 株式会社に改組)
1963年 徳島支店 開設
1967年 松山支店 開設
     現テクノ高松 設立
1970年 高知支店 開設
1974年 非鉄部門として株式会社セキゼン 設立
1987年 現テクノ香川 設立
1988年 株式会社アムロンに社名変更
1991年 株式会社イノベイト 設立
1993年 現テクノ多度津工場 竣工
1996年 環境事業部工場 竣工
2000年 環境マネジメントシステムISO14001の認証取得
2001年 株式会社セキゼン エコ事業部 設立
2010年 品質マネジメントシステムISO9001の認証取得
2017年 地域未来牽引企業(経済産業省)に選定
2018年 環境事業分野において第25回芦原科学大賞を受賞
2019年 有限会社山口工作所の全株式取得
2021年 労働者派遣・有料職業紹介事業許可取得
2022年 香川県環境配慮モデル事業所に認定
     米子営業所 開設
     大八工業株式会社の全株式取得
2023年 関東営業所 開設
地図
URL
http://www.amron.co.jp/
確認日
2023.12.21

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