デジタルとアナログの融合で「麺のエキスパート」へ

まるみやホールディングス 社長 宮谷 和宗さん

Interview

2026.02.05

瀬戸内讃岐工房・善通寺工場がある善通寺市吉原町で

瀬戸内讃岐工房・善通寺工場がある善通寺市吉原町で

科学的アプローチで「日持ち」を実現

製麺、飲食、貸衣装など、傘下に5つのグループ会社を持ち、多角的に事業を展開する「まるみやホールディングス」。中でも事業の軸は、社長の宮谷和宗さん(54)が最初に立ち上げた「瀬戸内讃岐工房株式会社」だ。うどん、そば、ラーメン、パスタ……様々な麵のオリジナル商品をつくり、香川や四国を中心に全国のスーパー、デパート、土産物屋などに卸している。
ヒット商品「讃岐茶ざる」(左)など瀬戸内讃岐工房の麺商品

ヒット商品「讃岐茶ざる」(左)など瀬戸内讃岐工房の麺商品

最大のヒット商品は、高瀬町のお茶を練り込んでつくった薄緑色のラーメン「讃岐茶ざる」。他にも、ぶっかけ、釜あげ、ざるなどの「讃岐うどん」、「生そうめん」や「オリーブそうめん」、懐かしい味わいが人気の「讃岐中華そば」など。

瀬戸内讃岐工房ではこれまでに500種類以上の自社商品を生み出してきた。

「商品開発力には自信を持っています。目指すは“麺のエキスパート”。我が社の商品開発を支えているのは『科学の力』です」。宮谷さんは力強く話す。
「Aの粉とBの粉を○対○の割合で組み合わせると、こうなる。さらにCやDを加えると、こう変化する……」。水分率、混ぜ合わせる圧力、気温や湿度など様々な要素を分析し、弾力、粘り、もちもち感など「麺の最適解」を導き出していく。

“科学的なアプローチ”で辿り着いた独自の技術がある。「日持ち」だ。小麦粉の配合や水分を調整することにより、常温で60日ほど日持ちする生麺の開発に成功。さらに「蒸気による殺菌処理や、pH(水素イオン濃度指数)調整などを駆使した『ロングライフ麺』は約1年、日持ちさせられます」

しかし、「これらの商品は科学だけで生まれている訳ではない」と宮谷さんは口調を強める。「デジタルとアナログを融合させることが大事なんです」

科学、いわゆる“デジタル”でつくり出した麺に、「人の力加減、体温や感覚などの“アナログ”を加えていく」のが宮谷さんのやり方だ。「科学的な手法だと、確かに“良い麺”はできます。でも、それは果たして“美味しい麺”なのかどうか……。大切なのは、要所要所に“人の手”や“人の心”を加えて丁寧につくること。つまり『美味しくなあれ』という気持ちを込めてつくることだと思うんです」

売り出し中の商品がある。「レンジでチンする讃岐うどん」。ありそうで無かった新しいタイプの讃岐うどんだ。「レンジの熱でほぐれやすいよう科学的な工夫を施し、『美味しくなあれ』の思いも込めています」。昨年11月に販売を開始。評判は上々だそうだ。

今年の夏に「うどんサプリ」を

営業力を身につけようとミシン販売の営業を3年間、人脈を築こうとスポーツクラブのインストラクターを5年間経験。その後、丸亀市内の製麺所で、麺づくりのノウハウ、工場の操業、仕入れや経営を学び、ちょうど20年前に製麺業の「瀬戸内讃岐工房」を立ち上げた。「幼い頃から、うどんを美味しいと思ったことがなく、どちらかと言えば嫌いだった」が、「美味しい麺を自分でつくってみたい、という気持ちは強かったですね」

鍛えた営業力や培った人脈を生かし、事業は順調に成長。現在は製麺業に加え、うどん店の運営や、衣装レンタル、カフェ経営なども手掛けている。事業領域を広げ、ホールディングス化したのには理由がある。新型コロナウイルス感染症だ。「当時は製麺業のみ。仕事が減り、一つの事業だけを行うリスクを痛感しました。このままで社員や社員の家族を守ることができるのか……。こっちがダメでもあっちがある。そういった体制を整えておかければならないと強く感じたんです」
まるみやホールディングスのグループ「アース・ライフ」が運営する 「讃岐麺食堂 縁や 丸亀店」=丸亀市土器町東

まるみやホールディングスのグループ「アース・ライフ」が運営する
「讃岐麺食堂 縁や 丸亀店」=丸亀市土器町東

今、力を入れている事業の一つが「飲食店などの後方支援」だ。

例えば、店主が高齢で後継者がいないため、閉店を考えている讃岐うどん店があったとすると……「『もう、うどんが打てない』と、体力的な問題で事業の継続をあきらめようとしている場合、製麺については“科学的なアプローチ”で、ある程度のレベルまではフォローできる。そうなれば『うどんは打てなくても、経営は続けられる』可能性が出てきます」

グループの株式会社アース・ライフでは実際に、後継者がいなかったうどん店3店舗の運営を引き継いでいる。「そういった後方支援で、讃岐うどんの伝統などを守る手助けができればと思っています」
そして、今まさに開発中の新商品もある。「うどんサプリメントです」
商品開発力に自信。科学の力に「美味しくなあれ」を加えて

商品開発力に自信。科学の力に「美味しくなあれ」を加えて

うどんには、塩分、糖質、血糖値などの健康リスクがついて回る。

「塩分やカロリーを吸収しないよう作用する補助食品のイメージです。あえて“うどん用”、“うどんを食べる前に飲む”と謳うことで注目されるのでは。今年の夏頃に商品化できればと計画を進めています」。宮谷さんは楽しそうに話す。

「この20年は手あたり次第、がむしゃらに突っ走ってきました。今後はもっと“凝縮”させていきたい。良いものをよりブラッシュアップして、皆さんに提供していければと思っています」

篠原 正樹

宮谷 和宗 | みやたに かずたか

略歴
1971年 善通寺市出身
1989年 尽誠学園高校 卒業
     製麺所勤務などを経て
2006年 瀬戸内讃岐工房株式会社 設立
2015年 株式会社まるみやホールディングス 設立
     代表取締役社長

株式会社まるみやホールディングス

住所
香川県善通寺市原田町1026-1
代表電話番号
0877-63-0382
設立
2015年2月22日
社員数
150人(グループ)
資本金
300万円
グループ
瀬戸内讃岐工房株式会社(各種麺の製造販売卸)
有限会社末広衣裳店(衣装レンタル、カフェ)
株式会社アース・ライフ(うどん店運営)
株式会社香川食品(麺販売)
株式会社和(飲食)
地図
URL
http://seimenya.com/onlineshop/products/list.php
確認日
2026.02.05

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
債務整理のとびら 離婚のカタチ 交通事故の羅針盤 メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ