AIで地域全体を支える
画期的な事業モデルが始動

一般社団法人みとよAI社会推進機構MAiZM 最高AI責任者 樋口 憲一さん

Interview

2026.02.05

「AIを通じて三豊市全体を底上げしたい」と語る、MaiZMのCAIO・樋口憲一さん

「AIを通じて三豊市全体を底上げしたい」と語る、MaiZMのCAIO・樋口憲一さん

人口減少と若者流出が進む地方都市では、慢性的な人材不足と業務のデジタル化の遅れが企業経営の重荷となっている。香川県三豊市も例外ではなく、こうした課題に正面から向き合おうと動き出したのが、一般社団法人みとよAI社会推進機構(MAiZM)だ。今年1月から本格始動した新たな取り組み「まちのメンテナンス事業」は、地域全体で人材と技術を循環させるモデルとして注目を集めている。

MAiZMは2019年、三豊市で発足。東京大学・松尾豊教授の研究室や、香川高等専門学校(詫間キャンパス)との産学官連携の下、「AIを活用した地域人材育成と課題解決」を掲げ、プログラミング体験教室やAIセミナーの開催、企業へのヒアリングなどを通じて、地域にAIを浸透させる活動を続けてきた。

昨年10月には新たな体制づくりの一環として、ITコンサルティングなどを手がける企業の代表・樋口憲一さんがCAIO(最高AI責任者)に就任。これまでの活動で培ってきたネットワークや知見を生かし、より実践的で持続可能な取り組みへと舵を切った。

「地方では、1社だけ良くなっても地域全体は変わらないんです」と話す樋口さんが見据えているのは、企業単位の「点」での支援ではなく、地域を「面」で底上げする仕組みづくり。こうして再設計されたのが「次世代社会OS」という構想だ。

この構想はMAiZMが窓口となり、企業から寄せられる業務改善やIT・AI活用の相談を一括で受け止め、内容に応じて最適な人材やチームをアサインする。「困ったらまずはMAiZMに相談するという習慣を根付かせたい。いわば町の『デジタル総務部』のような存在になれれば」と樋口さんは言葉に力を込める。

MAiZMの特徴は、要件整理から実装、導入後のフォローまでをワンストップで伴走する点だ。香川高専の学生や市職員OB、地元IT企業の技術者、研究機関などと連携し、案件の規模や難易度に応じた体制を柔軟に組む。学生が実務に関わることで人材育成にもつながり、企業側はコストを抑えながら実践的な支援を受けられるというメリットも。樋口さんは「AI活用が分からないレベルでも大丈夫。課題の整理から一緒に解決するという姿勢が、IT人材を持たない中小企業の安心感にもつながるはず」と意気込みを見せる。

また、AIリテラシー向上にも力を入れ、オンラインセミナーや個別支援を通じ、メール作成や資料づくりなど、身近な業務でAIを使う体験を重ねてもらう機会を積極的に設けていく考えだ。「社員一人ひとりの時間の使い方が変わるだけで、生産性は大きく上がります。その実感を積み重ね、次の自動化やシステム化へとつなげていきたいですね」。

さらに、パソコンのトラブル対応といった小さな相談から潜在的な課題を掘り起こし、次の改善へと循環させる。業種も問わない。樋口さんは「農業や製造業など、一次・二次産業にもAI活用の可能性は広がっています」と大きな期待を寄せている。

今後MAiZMでは、子ども向けのプログラミング体験や社会人向けのAI学習機会を通じて裾野を広げ、地域からAI人材を育てていくという。「三豊から育った人材が、地域で活躍し、やがて市外にも広がっていく。それが最も大きな理想ですね」と樋口さん。三豊市発の挑戦は静かに、そして確実に次のフェーズへと進み始めている。

一般社団法人みとよAI 社会推進機構 MAiZM(マイズム)
TEL : 0875-23-6120

一般社団法人みとよAI社会推進機構

住所
香川県三豊市財田町財田上2171番地1
代表電話番号
0875-23-6120
設立
2019年
事業内容
1.AI人材育成に係る講座等の企画開催
2.地域課題解決のためのニーズシーズマッチング
3.企業課題解決のためのニーズシーズマッチング
4.資金の獲得及び管理
5.AIに係る情報発信
6.参画企業等との情報交換の実施
7.その他この法人の目的を達成するために必要な事業
地図
URL
http://www.MAiZM.or.jp
確認日
2026.02.05

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