
東京都港区六本木のAnyMind Group東京オフィス
トレンド見極め急成長
“テクノロジーカンパニー”とは一体何なのか?「インターネットなどを活用して企業支援する会社です」
現在の事業領域は大きく分けて3つある。1つ目は「マーケティングテクノロジー」。例えば電車内の動画広告。システムをインターネットに繋げることで、スポンサーが望む広告をリアルタイムで流すことができる。また、カメラを設置し車内を撮影。男女、年代、表情などを画像認識し、どんな人が広告を見て、どんな感情を抱いているのかなどの効果も検証する。「乗客の顔の角度から『今広告を見ている』『広告の前を通り過ぎたが見なかった』というのも分かります」

インフルエンサーマーケティングの管理画面(サンプル)
そして3つ目の事業は「企業の採用管理ツール」。企業が出す募集要項と、その企業に届いた履歴書などの求職者情報をもとに、「AIや自然言語処理技術を使って、求職者の趣味嗜好や行動パターンを分析。企業が求める人材とどのくらいマッチしているかをスコア化します」。この事業は現在、タイの企業200社が導入している。「この仕組みだと、必要な人材を効率よく採用できるうえ、企業の採用活動自体も効率化できる。まだ新しいビジネスだが、今後はもっとグローバル展開していきたい」
AnyMind Groupは創業年に14億円を売り上げ、翌年は28億円に倍増。創業わずか3年で、アジア11の国と地域に13のオフィスを持つなど加速度的に成長している。十河さんは「大きなトレンドにうまく乗ることができた」と話しながらも、「アジアは様々な市場が活気づいていて、もっともっと伸びていくと思う」と目を輝かせる。
2020年 新ビジネスに挑む

ミーティングの様子
大学卒業後の2010年にインターネット広告会社に入社。わずか3カ月で、営業マン200人中トップの成績を収めた。「今からまさにお金を使おうとしている会社に、誰よりも早く仕掛けるのが重要。お金を出すつもりのない会社に、どんなに良いプレゼンをしても意味がありませんから」。入社3年目にはベトナム法人のCEOに抜擢され、その後本体の取締役にもなった。
独立後も順風満帆かと思いきや、「決してそんなことはない。ターゲットを見誤り、『これはヤバい』と自己資金が尽きる前に軌道修正したこともあります」。今の悩みは十数カ国、600人に膨れ上がった社員とのコミュニケーション。「チャットやTVカンファレンスを各国で同時接続するなど、あの手この手を駆使していますが、なかなか難しいですね」と苦笑する。
自称「仕事人間」。世界各国を飛び回り、故郷・香川に帰省もできず、週末の「足つぼマッサージ」でほっと一息つく毎日だ。
十河さんにとって2020年はどんな年になるのだろうか。「日本で新しいビジネスを計画中です。キーワードで言うと、ポスター広告や看板広告などの『オフライン広告』を、いかに『オンライン化』『デジタル化』していくか」
16年の創業時に掲げたのは、「超、大きいことをする」という目標だった。「今は、やればやるほど新しい世界が広がり、見える景色がどんどん変わっていく。やり続けることで様々な市場に貢献できるし、社員や会社の成長にも繋がると思う。世の中にインパクトを与えられるよう、これからも常にチャレンジしていきたいですね」

「インパクトを与えられるようチャレンジし続ける」
篠原 正樹
十河 宏輔さん|そごう こうすけ
- 略歴
- 1987年 高松市出身
2006年 高松工芸高校 卒業
2010年 日本大学商学部 卒業
株式会社マイクロアド 入社
2012年 ベトナム法人CEO
その後、6カ国の同社海外法人CEO
マイクロアド本社取締役を経て
2016年 AdAsia™ Holdings(AnyMind Groupの前身)創業
CEO就任
2018年 AnyMind Group へ組織改編
AnyMind Group
- 住所
- 東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー29F
- 代表電話番号
- 03-3584-0345
- 設立
- 2016年4月7日
- 事業内容
- Entertainment Tech(インフルエンサーマーケティング等)
Marketing Tech(デジタル広告プランニング、運用、プロダクト開発、DOOH事業等)
HR Tech(採用管理ツール等)他 - 本社
- #13-01 SBF Center, 160 Robinson Road, Singapore 068914
- 拠点
- シンガポール、日本、タイ、ベトナム、インドネシア
マレーシア、カンボジア、フィリピン、香港、台湾、中国 - 地図
- URL
- https://anymindgroup.com/ja
- 確認日
- 2019.12.20
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