流されず自分で考える

大日本印刷 情報イノベーション事業部 中四国営業本部 本部長 中野亮司さん

Interview

2020.01.16

小学校から始めた野球。中学時代はレギュラー選手として活躍し、名古屋の大会で優勝した。「中学校の練習があまりに厳しくて、父親の転勤で広島の高校に入学してから野球はやめようと思ったんですが、結局、野球部の助っ人として試合には出ていました」

大学から再び野球部に所属。「これで引退というとき、何か一つのことを続けるのは大事なんだと実感しました」。先輩にも臆せず意見を言う、上級生になればチームがまとまるよう気を配るといった経験は仕事にも通じる。厳しいときも耐えられるよう精神的に強くなったかもしれない、と振り返る。

入社1年目に、仕事を教えてもらっていた先輩が退職し、慣れないまま仕事を引き継いだ時も、何とか乗り越えられたという。「大変なこともあったと思うんですが、考え込まないタイプなので。仕事に追われているうちに5年ぐらいたったという感じです」

本当にそうなのか

広島、名古屋、大阪で勤務し、地方と大都市の違いを感じた。「大都市は1件あたりの売り上げが大きく、地方で同じ金額を売り上げるためには何件も得意先を回るし、行っても同業他社も訪問していることが多い」。その経験があるから、大都市でも、大口といわれる企業以外も精力的に足を運び、顧客を開拓していった。

得意先だった大手家電量販店に出向し、マーケティングの仕事に携わった。出向先では他社との合併が進んでおり、各事業会社と商品を開発する部署との間を調整する役割も果たした。自ら商品キャンペーンの企画を立て、提案したこともある。2年半在籍した中で、「得意先がどういう仕事をしているのか、何を望んでいるのかがわかり、その後、企画提案する時にも役立ちました」

仕事をする上で常に、「本当にそうなのか」と考えることにしている。「もともとあまのじゃくなのかもしれませんが、『時代の流れだから』という言葉があまり好きじゃないんです」。「今はこれが主流」といわれている話題や言葉も、時代の雰囲気に流されて安易に口にするのではなく、本当はどういうことなのか自分の中で腑に落ちるようになってから、お客さんの前で話をするようにしていた。

時代の変化

釣った魚は自分でさばく

釣った魚は自分でさばく

現在、中四国営業本部長として、広島を始め高松、岡山など7拠点をまわる忙しい日々だ。休日は釣りをすることも多い。「学生時代、広島に住んでいたころは何とも思いませんでしたが、大人になって改めて瀬戸内の風景はすごくきれいだなと。だから仕事で会った人には、瀬戸内のよさを熱弁しています」
持っているギターの一つ。ブライアン・アダムスが使っているものと同じグレッチというメーカー

持っているギターの一つ。ブライアン・アダムスが使っているものと同じグレッチというメーカー

小学生の時、叔母にもらったことがきっかけで好きになったギターも15本ぐらいもち、「家族にうるさいといわれながら今も時々弾いています」

印刷業界は今、紙からデジタルへの移行が進み、厳しい時代を迎えている。「商業印刷は少しずつ売り上げが減っていて、それに代わる新たな事業を展開していくことが私たちの命題です」。とはいえ、アナログがすべてデジタルにはならないと考えている。「アナログとデジタル、双方のよさを生かしながら地元の企業に貢献できるような企画を提案していきたいですね」

石川恭子

中野亮司さん | なかの りょうじ

略歴
1967年 東京生まれ
1986年 広島市立基町高校 卒業
1991年 山口大学 卒業
     大日本印刷株式会社 入社 広島勤務
2004年 中四国営業本部(大阪駐在)営業部長
    大手家電量販店・マーケティング部へ出向
2007年 中四国営業本部(大阪駐在)営業部長
2016年 関西第4営業本部 本部長
2019年 中四国営業本部 本部長

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