顧客の課題解決に、役立つ提案をしたい

富士ゼロックス四国 代表取締役社長 近藤智彦さん

Interview

2020.04.02

富士ゼロックスといえば、コピー機・複合機のイメージだが、入社後すぐ配属されたのは、1981年にアメリカで発売された商用ネットワークシステムの日本版「J-Star」(ジェイ・スター)の販売を担う部署だった。J-Starは、アイコンやマウスでの操作といった今では当たり前の機能を搭載した画期的な商品。オフィスでパソコンやワープロが普及し始めたばかりの時代に、ファイルを共有できるなどのネットワーク構築を実現した先進的なシステムだった。

今までにない商品は、相手に特長を伝えるのが難しい。しかも、高額なので営業活動は苦労した。業界の動向を調べ、何度も足を運び、顧客の話をよく聞き、課題が何かを考える。上司や同僚と試行錯誤する中で、「ただ商品を売るのではなく、それを生かして顧客の会社内のコミュニケーションを活性化させる、業務を効率化するといった新たな価値を提案することが大事なんだと実感しました」。訪問先で、ものづくりのこと、経営のこと、さまざまな話を聞けたのも勉強になったという。

ともに働く、ある先輩にも刺激を受けた。「自分はコツコツ積み上げていくタイプで、豪快な先輩が最初は苦手でした」。しかし、確実に結果を出していく姿を見て、自分が担当する営業先に同行してもらうことにした。「相手との接し方、訪問するタイミング、仕事への姿勢…学ぶべきことは多かったですね」

仕事を続けていると自分のやり方に固執してしまいがちだが、それでは成長がとまってしまう。「たとえ違うと思っても、一度は言われた通りやってみて、自分に合うかどうか判断するようになりました。素直であることは、いい営業マンの条件だと思います」

ラグビーは会社に似ている

ラグビーワールドカップを観戦

ラグビーワールドカップを観戦

大学時代はラグビーをしていた。2019年のワールドカップでは、オーストラリア対ウルグアイ戦を観に行った。ラグビーは、パワーだけではなくち密な計算や細かいテクニックが必要で、作戦を考えるのもおもしろいという。

「走る、パス、スクラムと、それぞれが役割をこなす専門職の集団ですが、試合の流れによっては臨機応変に専門以外のことをしなければならない。そこが会社に似ていますね」

社長という現在のポジションは監督のような存在。現場で担当者にその都度指示は出せないが、目指すべき方向性を決めて自分の考えを発信する。「社員がお客様に積極的にアプローチして課題解決の役に立てるように、環境を整えるのが私の仕事です」

働き方改革

社員とともにビーチクリーン

社員とともにビーチクリーン

自社でも働き方改革に取り組んでいる。就任後に香川支店をリニューアルした。4人単位で机を配置し、フリーアドレスにしたことで、部署を超えたコミュニケーションが活発になった。フレックスタイムの活用、介護や子育て中の人は在宅勤務、営業職やエンジニア職はモバイルワークを活用している。有給休暇の取得状況を会社で管理して、休みを取るようフォローしている。

これらが認められ、「かがわ働き方改革推進大賞」の優秀賞に選ばれた。「少ない人数でも、お客様にいい提案ができるような体制をつくっていきたい」

ビーチクリーンや里山環境保全といった地域貢献にも力を入れていきたいという。

「2021年4月から、富士ゼロックスは、社名が『富士フイルム ビジネス イノベーション』に変わります。これを機会に、いっそう地域の人や企業に頼りにされる会社になりたいですね」

近藤智彦 | こんどう ともひこ

略歴
1961年 徳島県生まれ
1980年 徳島県立城南高校 卒業
1984年 中央大学商学部会計学科 卒業
    富士ゼロックス 入社
    西日本営業事業部システム営業二課
1995年 中央営業事業部ドキュテック第二販売部チーム長
2006年 関西支社Solサービス営業グループ長
2012年 営業本部関西東海支社関西第一営業部長
2017年 富士ゼロックス四国株式会社 代表取締役社長

富士ゼロックス四国株式会社

住所
香川県高松市磨屋町8-1
代表電話番号
087-823-4411
設立
1980年
事業内容
富士ゼロックスが提供する事務用機器の直接・間接販売およびアフターサービスの提供
確認日
2020.04.02

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