あきらめなければ成功がある

株式会社BOD高松営業所長 伊丹 克さん

Interview

2021.03.18

人手不足の現在、「BPO」(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)というサービスが注目されている。業務の一部を委託するアウトソーシングに対し、業務の設計、効率化といった業務のプロセス改善も含めて委託するのが特徴だ。

BPO事業を中心に、システム開発や業務改善コンサルタントも手がける株式会社BODで、伊丹さんは中四国エリアの所長を務める。34歳で地元・香川に戻るまでは、システム開発の仕事に携わっていた。

前職では、プログラム設計のほか、どういう要素をシステムに盛り込みたいかお客さんの要望を聞きながら設計書をつくり、エンジニアに伝える業務も経験した。取引先のカード会社に出向したこともある。「社員以上にそのカード会社のことを好きにならないと認めてもらえないと思い、積極的にコミュニケーションを取りました。もちろん結果を残す努力も」

自社を相手に発注し、値下げ交渉をすることもある。「自社に腹がたつこともあって(笑)。お客様の立場でものを見ることができた貴重な経験でした」。また、エンジニアには当たり前のことでも「例えば、なぜボタン一つ追加することでこのコストがかかるのか。提案する際には言葉を尽くして説明することが信頼につながることも学びました」

見えないものを、見えるように

信頼を寄せる高松営業所のメンバー

信頼を寄せる高松営業所のメンバー

エンジニアの仕事のおもしろさは「見えないものを見えるようにすること」だという。例えば、先輩から引き継いだままマニュアルもなくやっている、その人にしか見えない仕事。それを、どういう流れでデータがきて、どんな加工をして最終的なデータとして出てくるのか把握した上で、よりよい方法を見出す。それを実現するために手順書・仕様書をつくりシステム設計し、顧客に提案する。

その過程で、やり方を変えたくないという現場の反対もある。システムがうまくいかないこともある。「それらをどう乗り越えるか。経験やスキル、度胸……自分が試されている気がするから、クリアした時は楽しい」。システムが完成し、数十分かかった作業が1分で終わる、ミスが減ったと喜ばれるとやりがいを感じるという。

「現状から課題を見つけ、プロセスを改善して業務を行う。エンジニアとしての経験は、今の仕事にも生きています」

四国で存在感を

あるコンテストで入賞した作品

あるコンテストで入賞した作品

子どもが生まれてから一眼レフで撮影を始め、写真にはまった。機材をそろえ、勉強するうちに腕を上げ、友人の飲食店のメニュー撮影や、美容室のカットモデル撮影を頼まれるほどになった。「主題を明確にする、光のこと、画面のバランス……やっぱりロジカルに考えるのが好きなんでしょうね。仕事のときと同じです」

仕事で課題にぶつかった時は「あきらめなければ成功がある」と考える。エンジニアの仕事はトラブルを解決しない限り前に進めない。「原因を一つずつ根気よく紐解いていく。経験から、あきらめなければ必ず解決するという確信があるんです」

香川では、BPOという業務はあまり知られていない。「まずは業務のメリットを知ってもらいながら、四国で一番と認識されるよう存在感を高めていきたい。あきらめずに」

石川恭子

伊丹 克 | いたみ まさる

略歴
1977年 高松市生まれ
1996年 高松高校 卒業
2001年 関西学院大学経済学部 卒業
    株式会社日本総合研究所 入社
2011年 香川県に帰郷し、株式会社アドバンスサポート 入社
2017年 株式会社BOD 入社、高松営業所長

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