
仕事の姿勢を変えた 被災地での経験
そんな毎日が一変したのは、2011年3月11日。仙台支店があった東北本部ビルで、東日本大震災の激震に見舞われた。あっという間に携帯電話が使えなくなりインフラが止まり、混乱をきわめる中でも、震災の翌日には顧客に電話をかけ始めて安否確認と保険金の支払い対応がスタート。損害部門のサポートとして、中村さんら営業も仙台市内を中心に1件1件査定して歩いた。「査定するはずの家がつぶれているとか、家屋は残っているけど中がめちゃくちゃとか、仙台市内は被害が比較的軽いといってもそんな状態です。保険金の見込み額をお伝えすると、お客さまは涙を流して喜んでくださる。いろんな保険商品を扱いましたが、地震保険ほどたくさんの『ありがとう』をいただいたことはありません。このためにこの仕事をやってきたんだと実感しました」
家族の安否がわからないまま電力復旧に努める電力会社の人の使命感、独自の判断で食べ物を満載したバスを送ってくれたある支店長の決断力など、震災の中で教えられることも多かった。この経験から、今も部下には「たくさんのありがとうを集めよう」「何の・誰のために仕事をするか意識しよう」と伝えている。
四国の魅力を学びたい

趣味は神社巡りと日帰り湯巡り。
写真は今年の正月に訪れた京都・北野天満宮
支店のある高松の印象は「本当にきれいな街」。これから四国の魅力をいろいろ教えてほしいと目を輝かせる。「それをまた県外に広めるのが、転勤族の役目であり楽しみでもあるんです」
戸塚 愛野
中村 哲也 | なかむら てつや
- 略歴
- 1994年 立命館大学経営学部卒業
三井海上火災保険株式会社(現・三井住友海上火災保険株式会社)入社
2009年 千葉支店 成田支社 課長
2010年 仙台支店 法人営業第二課 課長
2013年 岐阜支店 岐阜第二支社長
2019年 山陰支店長
2022年 四国東支店長
おすすめ記事
-
2025.01.03
「外から見る日本」を知る
若者たちに期待したい独立行政法人日本貿易振興機構 地域統括センター長(四国)・香川貿易情報センター所長 水田 賢治さん
-
2022.09.01
全ての人に最適なひとときを
日本たばこ産業株式会社 香川支社長 蔵下 泰豊さん
-
2021.03.18
あきらめなければ成功がある
株式会社BOD高松営業所長 伊丹 克さん
-
2020.12.17
経験はすべてつながっている
東京海上日動火災保険(株) 常務執行役員(四国エリア担当) 吉田 正子さん
-
2020.05.08
違いを知り、いろいろな面から物事をみる
三井住友海上火災保険執行役員 四国本部長 高樋 毅さん
-
2020.04.02
顧客の課題解決に、役立つ提案をしたい
富士ゼロックス四国 代表取締役社長 近藤智彦さん
-
2020.01.16
流されず自分で考える
大日本印刷 情報イノベーション事業部 中四国営業本部 本部長 中野亮司さん
-
2020.01.03
謙虚さと向上心をもつ
香川県警本部長 岡部正勝さん
-
2019.11.07
地域と国をつなぐ役割を果たしたい
四国財務局長 安出克仁さん
-
2019.08.15
「やりたいこと」に向かって
全力で努力するNHK高松放送局 局長 池田信浩さん
-
2010.02.18
中学時代からのソフトテニスの経験は、ビジネスにも大いにいかされている
パナソニック四国支店長 原田 信一さん
最新紙面情報
Vol.412 2025年08月21日号
「ここに来て良かった」 生徒一人一人に寄り添って
学校法人村上学園 理事長 村上学園高等学校 校長 村上 太さん
モニタリングの知見を生かし 地域と「顔の見える対話」を
日本銀行 高松支店長 稲村 保成さん
諸機関と柔軟に連携し 四国の中小企業に寄り添う
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 四国本部長 田中 学さん
まち全体を一つの「宿」に見立て 古民家を核に日常風景の魅力を発信
NIO YOSUGA 代表取締役 竹内 哲也さん/菅組 社長 菅 徹夫さん
生徒の「やってみたい」が地域とつながる 進化するボランティア団体「TSUNAGU」
大手前丸亀中学・高等学校