「もったいない」という思いから、三豊市詫間町の真鍋モータースでは、故障などで使用不能になった原付バイクを電動バイクにリユースする事業を新たに始めた。
「モノ作りが好きでたまらない」「誰もやっていないことに挑戦したい」と話す真鍋貴行社長。なんと中学時代には軽トラックを改造して、夏休みの宿題として提出したこともあるという。
モノ作りが大好き
父親が興した整備工場。真鍋さんは幼少の頃から機械いじりに明け暮れていた。そして今でも、とにかくモノ作りが大好きだ。常に頭にあるのは「誰もやったことのない、面白いこと」。車の車検や整備、車両販売などのいわゆる本業に加えて、現在情熱を注いでいるのが「ガソリン原付バイクの電動化」だ。
高性能バイクを再利用
「バイクの回収センターには車体がとてもきれいなものがたくさんあるんですよ。エンジンは壊れているけど、ちょっといじってみたらすぐに直せた。それで『これ、いいんじゃないか』と思ったんです」
エンジンやガソリンタンク、ラジエーターやマフラーを取り外して、バッテリーを搭載。モーターは車輪の中に組み込んで、ヘッドライトにはLEDを使用する。約1カ月がかりで作る電動バイク。リユースするのは性能が高い日本製に限っているため、安全性や安定性に問題はないという。家庭用の100Vの電源で一晩充電すれば、時速30キロで50~70キロの走行が可能だ。
「日本製のバイクは完成度が高いんです。でも、まだ乗れるのに買い替えられたり、調子が悪くなれば安く輸出されて、海外で悪い排気ガスを出したりする。高性能で高価なバイクをもう1回使ってほしいんです」
騒音なし、排気ガスなし
「上り坂が少し弱いですが、平坦な道は普通のバイクと変わりません。早朝の新聞配達などにぴったりじゃないですかね」
既存の車体を使うため、電動リユースにかかる費用は20万円ほど。環境にも優しいこの取り組みは、循環型社会を目指している三豊市の「中小企業振興基金事業」として補助金も交付されている。これまでに2台の試作品が完成。今月から本格的に受注製造を始める予定だ。
福祉車両にカスタマイズ
「メーカー純正の電動リフト付き福祉車両は500~600万円しますが、簡易なスロープなら20万円程度で付けられます。それでも安全性や機能性に大差はないですよ」
注文はインターネットを使って全国から受け付けている。駐車場が狭く、1台の車で仕事やレジャーなど全てをカバーしたいという関東圏の家庭からの注文が最も多いという。
エンジニアでありたい
夜中にパッと目が覚めてアイデアがひらめくという真鍋さん。誰も思いつかないこと、1000人に1人が興味を持ってくれるようなことをやっていきたいと明るく話す。「最近はモノが増えて値段も下がりました。直すよりも取り替える方が安く済ませられるんです。でも…」真鍋さんは強い口調でこう加えた。
「私は『チェンジニア』ではなく 『エンジニア』でありたいんです。子どもの頃は車のボディも鉄板から作っていました。これからも『技術の価値』を追い求めて、技術で商品に付加価値をつけていきたいですね」
真鍋 貴行
有限会社真鍋モータース
- 住所
- 香川県三豊市詫間町詫間614-8
- 代表電話番号
- 0875-83-2477
- 設立
- 1953年
- 社員数
- 9人
- 事業内容
- 自動車やバイクの整備・修理・販売、福祉車輌作成、車検、板金塗装
- 沿革
- 1953年 創業
1956年 有限会社真鍋モータース 設立
1980年 ロータスクラブ(全日本ロータス同友会)入会
1982年 四国運輸局指定自動車整備事業者に指定 - 資本金
- 300万円
- 地図
- URL
- http://www.niji.or.jp/home/manamo/index.php
- 確認日
- 2011.04.07
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