
アムロンの「鉄鋼加工技術」
特に事業の中核となる機械分野では、建機メーカーのパーツ製造を手掛けることが多く、クレーン車のブーム(長く伸びる部分)やショベルカーのシャーシ(車体を支える骨格)など重要な部分の製造を担っている。国内有数のレーザー切断機や大型プレスをはじめとする充実した設備力を活かし、橋梁や関西国際空港設備の補強事業を手掛けた実績もある。
製造の現場を担う自社工場は、大型鋼構造物を手掛けるテクノ高松・テクノ多度津をはじめ県内に複数ある。各拠点がそれぞれの得意分野を活かしながら連携し、「図面起こし」「加工データ作成」「切断」「曲げ・溶接」「塗装」といった一連の工程をほぼ社内ですべて行える体制を整えている。扱う材料は主に引っ張る力が加わった時の強度が高い「高張力鋼」で、厚さは1.6~50mmと幅広い。薄いもの・厚いものそれぞれ加工の難しさがある上に、状態がすべて均一ではないため、現場で1枚1枚性質を見極めながら加工を進めていくのは、まさに職人技の世界といえる。
一人ひとりのやりたいことを応援する社風のもと、高水準のものづくりを支える技術者たちは、拠点間の交流で幅広い技術を身に付けられる。事業分野が広いこともあり、技術者として現場一筋でスキルを磨いたり、マネジメント側で力を発揮したりと、自身のビジョンに基づいて多彩なキャリアを実現できる。
現在担当している業務は。

テクノ高松 生産技術部生産技術課 係長
宮脇 蓮さん(坂出商業高校出身)
宮脇 人事交流も増えてきて、多能工化にもつながっています。加工しやすさを考えるのは両拠点とも同じですが、テクノ高松が扱う厚い素材は「丈夫さ」を求められることが多い。分厚いほど素材の強度も高いので、その分、加工設備が大掛かりなものになり、加工も難しくなります。テクノ高松の生産技術課として「クオリティと効率の高い加工」の段取りと「工場内の改善活動」を担当している私の役割はお客様との技術的な窓口であり、現場の改善提案を受ける立場でもあるので、日頃からきめ細かいコミュニケーションを大切にしています。
今後、力を入れていきたいことは。

テクノ香川 生産技術部生産技術課
森田順也さん(徳島科学技術高校出身)
森田 会社として設備更新をすすめており、テクノ香川の設備もこの数年でかなり刷新されました。新しい切断機に慣れるまでは大変でしたが、かなり使いこなせるようになってきて、一定の成長を感じるとともに自動化のスピードに驚いています。今後は特にロボット化を進められないか検討を重ねています。今の加工手順を踏まえつつ自動化を進められるよう、生産技術に携わる者として良い提案をしたいです。現場とのコミュニケーションがますます大事にしながら、省力化・効率化に総合的に貢献できればいいなと思います。
◆キーワード
引張強度

株式会社アムロン
- 住所
- 香川県高松市末広町7-21
- 代表電話番号
- 087-851-1551
- 社員数
- 220名(グループ290名)
- 事業内容
- 鉄鋼・鉄鋼関連製品の販売・加工・施工、土壌・水質汚染対策・有害廃棄物再資源化などの環境事業、プラント環境整備・効率化の企画提案、仕事・人財探しなどの支援事業
- 資本金
- 1億円
- 沿革
- 1948年 香川鋼材産業有限会社 創立(2年後 株式会社に改組)
1963年 徳島支店 開設
1967年 松山支店 開設
現テクノ高松 設立
1970年 高知支店 開設
1974年 非鉄部門として株式会社セキゼン 設立
1987年 現テクノ香川 設立
1988年 株式会社アムロンに社名変更
1991年 株式会社イノベイト 設立
1993年 現テクノ多度津工場 竣工
1996年 環境事業部工場 竣工
2000年 環境マネジメントシステムISO14001の認証取得
2001年 株式会社セキゼン エコ事業部 設立
2010年 品質マネジメントシステムISO9001の認証取得
2017年 地域未来牽引企業(経済産業省)に選定
2018年 環境事業分野において第25回芦原科学大賞を受賞
2019年 有限会社山口工作所の全株式取得
2021年 労働者派遣・有料職業紹介事業許可取得
2022年 香川県環境配慮モデル事業所に認定
米子営業所 開設
大八工業株式会社の全株式取得
2023年 関東営業所 開設 - 地図
- URL
- http://www.amron.co.jp/
- 確認日
- 2023.12.21
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