独創力を活かした製品で
社会に新たな価値を創造する

四国化成ホールディングス

Tec✕Tec

2025.09.15

左:四国化成建材 商品開発部 特注・設計課 髙田 開さん(香川高専高松出身) 中:四国化成建材 商品開発部 エクステリア開発課 宮脇 亮さん(香川高専高松出身) 右:四国化成建材 商品開発部 エクステリア開発課 高井 直輝さん(香川高専詫間出身)

左:四国化成建材 商品開発部 特注・設計課 髙田 開さん(香川高専高松出身)
中:四国化成建材 商品開発部 エクステリア開発課 宮脇 亮さん(香川高専高松出身)
右:四国化成建材 商品開発部 エクステリア開発課 高井 直輝さん(香川高専詫間出身)

事業活動は、自社の利益だけではなく製品が社会にどんな影響を与えるかについても考える必要がある。四国化成ホールディングスは化学品事業と建材事業を柱とし、企業理念「独創力」を活かした業界初の製品や画期的な製造方法で、社会に新たな価値を創造している。

化学品事業ではプール水の殺菌・消毒剤、スマートフォンなどの電子部品の材料を製造・開発。中でも、普通乗用車や航空機などに使われるラジアルタイヤの製造に欠かせない不溶性硫黄「ミュークロン」は、世界シェア第2位を誇る。同社は戦後間もない頃、ミュークロンの製造に必要であり、化学繊維レーヨンの原料でもある「二硫化炭素」のメーカーとして創業。当時主流であった製法の欠陥を看破して革新的な技術を発明し、業界に大きな変化をもたらした。

その後、合成洗剤の添加剤であった化学糊料(こりょう)を壁の原料とすることで建材分野にも進出。社会的な自然環境への意識の高まりを受け、「人と自然に、よりよい巡りを」というコンセプトのもと、「MEGLIO(メグリオ)」ブランドを2025年に立ち上げた。その第一弾の商品がソーラーカーポート「ソリスルーフ」。後方2本の柱で屋根全体を支えるデザインのため駐車がしやすく、ソーラーパネル自体を屋根にすることにより、高い発電効率を実現した。ほかにもMEGLIOブランドで様々な製品を開発。自由な発想と技術で新たな価値の創造を目指す。

どのような業務に関わっていますか。

宮本 丸亀市の工場でミュークロンの製造に携わっています。製造工程で使われる二硫化炭素は非常に揮発しやすく引火性の高い物質なので、環境の変化に合わせて温度や圧力など安全運転に必要な管理を徹底する必要があります。モニターを監視しながら小さな変化も見逃さないよう常に緊張感を持って仕事に取り組んでいます。

 建材事業部門で「ソリスルーフ」の開発に携わりました。開発当初は、太陽光発電の架台を長くしてソーラーカーポートにしている製品がたくさんありました。そこで、私たちは屋根のあり方や排水、配線の隠し方などを工夫し、エクステリアメーカーとして機能性が高く、美しいデザインの製品をつくろう、というところから開発をスタートしました。

力を入れていることは。

宮脇 ソリスルーフの開発では、まずデザインを重視しました。屋根の上にただソーラーパネルを置くのではなく、屋根と一体化させること。パネルにより屋根が重くなりますが、それを一般的な4本柱ではなく、駐車しやすいよう後方2本柱で支えるデザインにしたかったので、柱の太さや位置などをこれまでのノウハウを活かしながら試行錯誤しました。

宮本 機械系の学科出身で化学分野の知識がほとんどなく、先輩たちに丁寧に教えていただいたおかげで少しずつ成長できています。ただ、まだまだ覚えることは多いです。近年、乗り心地や低燃費性能・耐久性能といった高機能タイヤが求められる中で、不溶性硫黄にもより高い品質が求められています。今後ますます需要の高まることを見据えて、量産化できる新プラントが今年1月に完成しました。新プラントでの業務に向けて、さらに知識やスキルを高めていきたいです。

今後、目指していることはありますか。

宮本 危険物取扱者第2類と4類、ボイラー技士の資格は入社後に取得しました。ほかにも、危険物取扱に関する資格があるので挑戦したいと考えています。業務に関する資格取得のために、通信講座の費用や受験料・交通費の補助など会社がサポートしてくれるので心強いです。

宮脇 美しいデザインのカーポートは街の風景に溶け込むと思います。今後は、商業施設や空港、病院といった大規模な駐車場のカーポートとして展開していきたいです。

「MEGLIO」の商品開発に関わったことで、日常生活の中でも環境に意識が向くようになりました。アンテナを張って感じたことを商品開発に活かせれば。製品を通していつもの場所に新たな価値を提供できればと考えています。

◆キーワード


ソーシャルグッド

環境や社会に対してよい影響を与える製品やサービス、活動のこと。これまでの経済活動による環境への影響への反省から注目されるようになり、取り組み主体は企業や消費者、地域など幅広い。企業が取り組むことで、新たな視点が生まれ新規事業創出につながる、従業員のやりがいや満足度が高まる、企業イメージが上がり取引先との関係もよくなる、地域や社会の課題解決につながるといったメリットがある。

四国化成ホールディングス株式会社

住所
香川県丸亀市土器町東8丁目537番地1
代表電話番号
0877-22-4111
設立
1947年10月10日(四国化成工業株式会社)
社員数
1,287名(連結2024年6月30日)
事業内容
四国化成工業株式会社(化学品事業)
:各種化学工業薬品・医薬品・化学肥料等の研究開発、製造・販売 他
四国化成建材株式会社(建材事業)
:各種建築土木資材・住宅・店舗用製品等の開発、製造・販売 他
四国化成コーポレートサービス株式会社(間接業務)
:経理・人事・コンプライアンス・資産管理に関する支援業務 他
地図
URL
https://www.shikoku.co.jp
確認日
2024.09.19

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