働き方を改善し
効率化と品質向上を実現

信栄工業

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2025.09.15

yBK

建築

働き方

技術

右：工事部建設課　課長　山地　弘起さん（岡山商科大学附属高校出身）
左：工事部建設課　大澤　隆也さん（農業経営高校出身）

働き方改革とひと言でいっても、会社や業種によって目的も進め方も違う。信栄工業は、業務の効率化と品質向上、従業員満足度アップなどを目的に働き方改革を進めている。

同社は、建設現場において主に建物の施工管理の業務を行う。建物が安全かつ高い品質で計画通りに完成するよう、建設工事の現場を全体的に把握した上で、指揮・監督する。施工図作成、資材の発注、職人の手配から、施主・業者との打ち合わせまで幅広い業務を担う。

工事をスムーズに進めるためには、様々な関係者と情報や意識を共有することが必要で、状況によって変わる施工図や工程表、報告書の作成は重要な仕事。それらの業務は今まで、現場から戻った後に行っていたため、時間を効率的に使えないという課題があった。

そこで、3年ほど前に一人一台タブレットを支給。現場で変更があればその場で施工図や工程表に反映してすぐに共有できることで品質向上につながったほか、空いている時間に現場の事務所で書類作成などもできるようになり、残業時間が大幅に減った。施主にとっても、建物の形状や構造を三次元的に確認できるなど満足度が向上。建築物についてのデータが会社の財産として蓄積しやすくなった点もメリットの一つだ。

社員一人ひとりの仕事の裁量が大きい同社では、タブレットをどう活用するかも個人に任されている。責任をもち自ら考えながら業務を進めることができる社員とともに、新しい働き方の模索は続く。

働き方改革によってどう変わりましたか。

山地　新築の場合は特に、お客様は初めてでわからないことが多いと思うので、できるだけ情報をお伝えしながら、様々な提案をしてお客様の負担を減らせるように心掛けています。そういう意味で、タブレットがあると資料作りや、お客様に代わって申請書類を作成する際も効率的に進められるようになりました。紙だけで説明されるより、構造物を三次元的に見た方が理解も早く、お客様も安心できるのではと思っています。

大澤　2025年6月に入社したばかりです。前職も建設業界で、ITツールを導入しているのは大手ゼネコンぐらいというイメージだったので、入社後に業務の効率化への取り組みや、年間休日120日以上といったことを知り、すごくいい職場環境だと感じています。

会社の特長、強みは。

山地　自由度、仕事の裁量が大きいのでやりがいがあります。私たちの仕事は安全、品質を守ることはもちろん、ロスが出ないよう職人さんを配置したり資材を発注したり、その時々で適切な対応が求められます。最初は先輩にサポートしてもらいながら、少しずつ経験を積み、自ら考え責任をもって行動する力が育まれます。高い技術をもった管理者を育てられる体制も会社の強みだと考えています。

大澤　人材育成にも力を入れている印象です。施工管理の資格を目指す人が学校などに通う場合は、その学費を会社が支援してくれます。私も今後、施工管理の資格取得を目指しているので、この制度は本当にありがたいです。

今後に向けて。

大澤　現場では、設備工事、土木、建設機械など様々な知識が必要なので、まずは勉強をして施工管理の資格取得も目指したいです。施工管理といっても、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造など構造の種類の違い、また建物の規模によっても全く違うので、経験しながら学んでいきたい。あとは、いろいろな先輩の仕事を見ながら、自分らしい仕事の仕方を見つけたいです。

山地　現場は、担当者だけではなく、上司・先輩も各現場を巡回しながら安全性や状況をきめ細やかにチェックします。私自身も先輩に指摘されての気づき、発見がありました。自分がしてもらったように、今度は後輩にアドバイスして育てていきたい。あとは、若手が自由に意見を言いやすい環境をつくっていきたいと思っています。

◆キーワード

業務効率化

業務を進めるプロセスの中から無理、無駄を省いてスムーズに業務が進められるようにして、生産性を高めていくこと。人手不足を背景に重要性が高まっている。具体的には、ITツールの導入や社外へのアウトソーシングなど。進めるにあたって、現状の把握・業務の可視化、何から進めるか優先順位を決めてスケジュールを社内で共有することが必要。社員それぞれが業務を効率的に行う方法を見つけることも重要だ。