確立した教育体制で
個々のステップアップを目指す

篠原林業

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2025.11.18

左:チップ製造課 課長 合田 英司さん(三豊工業高校出身) 右:加工ボード課 係長 中濵 利哉さん(尽誠学園高校出身)

左:チップ製造課 課長 合田 英司さん(三豊工業高校出身)
右:加工ボード課 係長 中濵 利哉さん(尽誠学園高校出身)

創業以来、大倉工業建材事業部の協力会社として、パーティクルボード製造工程の前工程と後工程の大半を担う。仕入れ業者から直接運び込まれる木質チップや住宅廃材から木材のみを抽出。その木材を大倉工業のプラントでパーティクルボードに圧縮成型したのち、再び篠原林業で用途に応じた厚さやサイズの素板に加工・出荷するまでの作業を担当する。また、表面処理などの二次加工を施したパーティクルボードの製造も担っている。

同社では、製品の品質向上と従業員の安全衛生意識の徹底に力を入れている。安全衛生への意識を高めるためには、一人ひとりのレベルアップも重要だ。そこで、業務に必要なスキルを洗い出し、従業員の習熟度や課題が確認できる「力量マップ」を活用。各工程のグループ長の評価に基づいて一人ひとりが目標を策定する。目標を達成すれば昇格査定にも反映されるため、従業員のモチベーションアップにもつながっている。今年はこの力量マップがブラッシュアップされ、全員共通だった項目の一部を部署ごとの作業内容に沿った内容に改定。これまで以上に個々の目標を明確化しやすくなった。

そのほか、現場の従業員を直接指導する立場にあるグループ長や現場監督者を教育する「RSTトレーナー」の育成にも取り組んでいる。毎年1人ずつ、最終的には職長クラスの従業員全員が資格を取得することで、会社全体の知識の底上げを図る。より安全で働きやすい職場環境を築くことが狙いだ。

業務内容を教えてください。

合田 チップ製造課は全国の仕入れ業者をはじめ、社外の方と接する機会が最も多い部署です。木材チップの原材料となる廃材や木材を積んだ大型トラックがひっきりなしに出入りする中で、瞬時の判断力や、臨機応変な対応力が求められます。

中濵 パーティクルボードに化粧シートを貼るなどの二次工程を担当しています。指導者としてライン全体に目を配り、品質向上や効率化に向けた改善を心がけています。
また、入社6カ月以内の従業員を対象にした新人社員研修も担当しています。一方的に教えるのではなく、問いかけやグループディスカッションなどを通して意見を拾い上げながら進めています。当社は勤続年数や能力に応じた教育体制が組まれているので、意欲的にキャリアアップしてほしいと思います。

新しい挑戦について教えてください。

中濵 昨年は会社の第1号として「RSTトレーナー」の資格を取得しました。研修では指導者としての基礎知識はもちろん、異常時や災害発生時の対処の仕方なども学びました。研修後は、自分もしくは自分たちの課を主体とした考え方から、会社全体の安全面に意識を配れるようになりました。会社代表として学ばせてもらった知識を全員にフィードバックするため月に1度、各部署の職長を対象に勉強会を実施しています。私にとってもより深く理解する機会なので、年間計画に沿って着実に進めたいと考えています。

合田 3年前からLINEWORKSを活用して社員目線での気付きや提案を投稿してもらっていますが、最初はやらされている感のあった従業員も、継続するうちに気付きを行動に移せる人が増えてきました。さらに今年は改善を加え、個々に投稿していた改善提案を部署ごとに集まって全員が意見を出し合い「部の意見」として投稿するスタイルに変更。全員参加型になったことで、連帯感や責任感が生まれより意識が高まったように感じます。

仕事において大切にしていることは何ですか。

合田 大型車両や重機の予防保全には特に気を配っています。微妙な不具合を見逃してしまうと故障につながり、業務に支障が出るとともに修理費は損益に影響を与えます。日々の点検を通して異変にいち早く気付いてコントロールすることは、安全面はもちろん限りある会社の設備を大切に使うという意味においても重要だと思っています。

中濵 個々の技術や知識を磨くことはもちろんですが、全体のチームワークを大切にしています。敷地内に完成したばかりの建物は、休憩室と会議室を兼ねています。敷地が東京ドーム3個半ほどあるので、部署が違うと普段は顔を合わせることのない従業員も多いんですが、みんなが集える場所が増えたことで、新たなコミュニケーションが生まれることを期待しています。

◆キーワード


安全衛生活動

労働災害を防ぐ、労働者の健康を守るといった目的で各種安全衛生関連の法令に基づき、安心・安全な職場環境を実現するための取り組み。具体的には、従業員に安全衛生の重要性を認識してもらう安全衛生教育や実施計画の作成、情報の共有、巡視、パトロールなどが行われる。実現にあたっては経営層と従業員が一体となって進める、従業員一人ひとりが自分ごととしてとらえることが重要となる。

有限会社篠原林業

住所
香川県三豊市詫間町詫間2102-4
代表電話番号
0875-83-5045
設立
昭和43年
社員数
92 (男性 86人、女性6人) うち正社員以外 2人
事業内容
住宅廃材などを原材料とするパーティクルボードの製造・加工及び出荷業務
地図
確認日
2024.11.21

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